Bollywood No.001.
The Blue Umbrella (2005)
2017年
日本帰国時にいくつかインド在住時に購入したDVD(オリジナル商品のみ)を持ってきた。
その中から女房がこれを観たいと言うので一緒に観賞。。。
ほとんどのDVDはインドの劇場で見ているものだが" Blue Umbrella"はDVD観賞しています。
映画の製作は2005年、実際インドで上映されたのは2007年でしたが、映画祭等では上映してます。
まず触れておきたいのが、映画のロケーション。
ほぼ全編 Khajjiar又はその周辺で撮影されています。
自分が長く暮らしていた "Chamba"からバスで1時間(20㌔程度だがほぼ前線クネクネの山道のため時間がかかる)の所にあり、インド人の友人との家族旅行や一人でも何度か訪れた場所です。
この映画には原作があります。
童話作家 Ruskin Bond(ラスキン・ボンド)
英国統治下のインドに生まれ、現在83歳になるそうです。
テキトーに解説
はじまって直ぐ、題名になっている"blue umbrella"が登場。
風に流れた青い傘が主人公の女の子Biniya(Shreya Sharma)の元に届くのですが、
ここでなんと、5人くらいの日本人ハイカーらしき方々が傘の持ち主として登場!
これがとってもマズイ!!!
日本語のアクセントはほぼネイティブに聞こえ、本当に日本人か?と思わせますが、セリフは抑揚のない棒読み、動き方もなんか怪しい。。。
私の傘だから返してほしいまではいいが、なんとBiniyaのつけている首飾りがほしい!!!とてもほしい。。。と言い、お菓子屋やら小銭やらを出して交渉を始めます。
Biniyaは完全にビビッておりましたが、最終的に傘と交換することに。。
その間の日本人グループのしつこさが怖いです。首飾りをほしがる女性に初老の男性が加わり圧力をかけていきます。
このあたりは物や小銭で何とかできるといった感覚を日本人が持っているといった見せ方になっておりあまりいいイメージになりませんね。。
確かに自分が初めて訪れた20年以上前のインドの村では、子供によく小銭、鉛筆、ノートをせがまれました。本当によくです。。
この日本人グループですが、自分がみても顔は日本人に見えますが、エンドロールを確認するとインド人っぽい名前になってます。北東部のメガラヤ、ナガランド辺りの方なんですかね。
90分ほどの比較的短いストーリーでチャンバ地方のアタ粉畑やアップルファームが綺麗に描かれていました。カッジアールの映像は良すぎますね。
Cast
Shreya Sharma(Biniya)
撮影時は13歳、表情がよくかわいい演技をしてましたね。
映画と同じHimachal pradesh州(shimla/シムラ)出身です
この後、今回共演したパンカジ・カプールの息子シャヒード・カプール主演"Vivah(2006)"に出演しているようですが、どこにでていたのか気がつきませんでした。
Pankaj Kapoor(Khatri)
キャリアは伊達ではないです。
前半の調子のいいヘンクツな商店の親父、傘を盗んだ後村人から総スカンをくらっている時、最後Biniyaとの和解から店名を変え(Khatriの店☞Chatree:傘の店)傘を飾って店を再開するまで、流石の演技ですね。
一番は、店の前に結婚式の列が来た時、踊りに混ざって一緒に祝おうとするところ。参列者に「お前!何参加してんだ?」みたいな空気を出され、悲壮感が漂うところです。
あのみじめな姿はなかなかできない。
本当に何をしても上手い!
Deepak Dobriyal
最初と最後にKhatriの店の常連客役でちょこっとでてきます。
舞台でも活躍しており、出演時間が短い作品でも存在感があります。
バルドワジ監督のお気に入りなんですかね。。Mapbool(2003),Omkara(2006)にもでてます。
Tanu Weds Manu(2011),Tanu Weds Manu Returns(2015)ではお笑い担当、素晴らしいコメディ俳優ぶりをみせています。
Not a Love Story(2011)ではサイコストーカー役で全く違う演技をしてます。
女房のお気に入り俳優の一人
ガルワール地方の"Pauri"出身。
ガルワール出身のボリウッド俳優は珍しいですね。HP( Himachal Pradesh/ヒマーチャルプラデーシュ)出身者は結構いますが。。。
ガルワールにゆかりのある俳優
Anushka Sharma
-お母さんがガルワーリーです。(父はウッタルプラデーシュ出身)
Udita Goswami
-Paap(2003)ではヒマラヤの娘を演じてましたね。彼女は本当にガルワール地方によくいる顔立ちをしてます。
Udita Goswamiは州都Dehradun出身ですが、DeepakはPauriのKabra村。
DehradunとPauriどちらも行った事がありますが、よくあの田舎村(Pauri)からボリウッド俳優がでてきたなあと思います。*Dehradunは大都市で人口も多いのでわかりますが。。。
監督はVishal Bhardwaj(ヴィシャール・バルドワジ)
元々音楽監督をしておりましたが、映画監督もこなします。
この作品が監督3作目。2作目のMaqbool(2003)は必見!
この後、Omkara(2006) / Kaminey(2009) / Haider(2014)と監督してメインストリームに乗っていきます。
Location
Khajjiar
*ここからは自分が撮った画像*
インドのミニスイスと言われている観光地!
Khajjiar Lake
ここへは日帰りで何度かきました、都合により毎回10月か11月です。
車で1時間くらいなので手軽にこれ、標高が2,000M位あるので結構冷えます。
見ての通り、羊、山羊、犬がごちゃまぜに滞在。
左奥の緑屋根の建物は我々がいつも食事をするレストラン兼リゾート「Mini Swiss In」とかそんな名前だったと思います。今は名前が変わってるみたいです。
Khajji Cottage
このコテージは1942 Love Story(1994) /Anil Kapoor,Mani,Jackie Shroff
のシューティングロケーションにもなり有名
1942 Love Story(1994)
近くのDalhousie から Khajjiarにかけてたまに映画のロケーションになってますね。。
最近はLootera(2013)で使われました。
少しですが近くの比較的大きな村"Banikhet"(ここにもよく買い物などでいきました)でも撮影されてました。
Khatri(Pankaj Kapoor)の店跡地。。
自分が行ったときは撤去したすぐ後でした。
残してチャイハネにしておけなかったんですかね~もったいない。。
Khatri's tea shopからの眺め
この広場で子供たちが遊んでいたのです。
結婚式の風景
映画にもありましたが自分も結婚式の行進に出くわしました。
寒い時期なのであまり人も居ませんね。。
The Blue Umbrellaを久しぶりに見ましたが、行きなれたKhajjiar周辺がきれいに表現されてました。
標高も2,000mあり広大なエリアにトレッキングコースもあります。
バンガロー、食堂の施設も整ってますので、手ぶらで気軽にいけます。
ただし主要都市からはかなり離れているので、外国人は長期滞在者以外はきついですね。
しかし本当に懐かしく、いつか帰らん気持ちになりました。。。