登山をしてインド映画にそこそこ詳しい人はなかなかいないと思う。
インド人の登山家やハイカーと登山をする機会が何度もあり、場合によってはキャンプ地が一緒のことがあります。「そうすると一緒に食事でもしないか?」なんてこともあります。
たいていは「日本人なのか?」、「なにやってんだ?」、「どんなところにいってきた?」、「おーそこは私の故郷だ!どうだった?」と一通り話すとそのうち映画の話とかになり「あんたアミターブバッチャンは好きか?」となる。
そこから掘り下げていくと、映画の内容、タイトル、音楽はよく覚えているのだけど意外と一線級の俳優以外の名前を記憶していない人が多いのです。
山ほどいる俳優をいちいち記憶していないといったところだと思いますが、当時のサブキャストなんかについては自分のほうがよく知っていました。
そのおかげでインド在住時は特に地方でいろいろ新設にしてもらったものです。
今回はその中途半端な知識を生かしてインド最高のクライマーを紹介します。
名前は "AJAY DEVGAN"
前回紹介した映画Shivaayで主人公のShivaayを演じる男です。
この映画の冒頭のシーン、登山ガイドをしているShivaayが、山麓で待っている軍の人(役人)の所へ行く際の下山シーン。
襲るべく技術で下山を開始します。
冒頭
いきなり雪山で素っ裸で寝てます。(吹雪はじめてるのに!!!)細かいですが左手でパイプ(たばこ)かなんか持ってるんですよね。下からの声が聞こえるわけないですが、何となく感が働いたんでしょう、麓で人が待ってるので下山します。
装備を見るとアイスアックス2本とロープ1本はあります。
早速準備をして下山、天気も良くなりましたね。
イカすスタイルです。革ジャンにGパン。
以前外国人のハイキングをガイドした時、ウール(真っ黒)のロングコートを着てきたのがいましたが彼に匹敵しますね。
まず見下ろす直壁を背にしていきなりの"バック降り"です。
ロープが1本しかないのでここでは使えないんでしょう。
プロの方はどう考えますかね?やはりロープ下降の一択ですかね。。
バック降り後、スワンのダブル(後方伸身2回宙返り/ロスアンザルス五輪の鉄棒で森末選手が金メダルを決めた降り技)を決めながら壁に付きます。
また動画の方をみればわかりますが、準備時はインナーに黒いシャツを着ていたのですが、バック降り時は胸がガラ開きです。いつの間にかインナーを脱いでます。
これから寒い中下山するのに寒さが心配です。
高速で下降している為、ダブルアイスアックスで速度を調整します。足元はティンバーランドっぽいトレッキングシューズにアイゼンはありません。物凄い筋力とバランスです。
超高速落下時も冷静。このへんはさすがにAJAYです。
何度か氷壁に跳ね飛ばされながらひとまず氷柱にアックスをひっかけて一息入れます。
高度感がものすごく景色がすばらしい。
下で待つ人たちもこのパフォーマンスにテンションが上がります。
ここから先の下降技術も素晴らしい、まずはダブルアックスを振り子の支点にして飛び出します。
いきなり後方伸身宙返りを入れます。
そこから周りきらずに地面と水平に落下。
冷静に周りを確認しアイスアックスを1本腰に装着。
何かを見つけアイスアックスを腰のカラビナ(ロープに接続されてます)に引っ掛けます。
そこからローリングにつぐローリング、ローリング、ローリング。
いつの間にかアイスアックスをブン投げ岩にロックさせビレイをとります。
驚くことに水平落下以降はノールックで行ってます。
ロープが伸びきる直前にロープを肩から外し手に持ち替えます。
全ての衝撃が片手に奔りますが、余裕。
恐ろしい男です。
そこから体を振って雪のテラスに降り立ちます。
ここから先はテラスを走り抜け、クラックを飛び越え、最後はその辺の針葉樹を支点にして軍人さんの元に降り立ちます。
所用時間約4分。とんでもない登山ガイドで、何人たりとも真似はできません。
しかし長年AJAY DEVGANをみてきた自分としては信じられなくもないですね。。
"Shivaay" 観なくてはいけないようです。。
今回はこのような超人のご紹介をさせて頂きました。
今後も紹介したい世界の超人がいたらアップさせていただきます。