Bollywood No.004
Lagaan(ラガーン)~once upon a time in india~(2001)
女房のリクエストによりDVD観賞
10年ぶりくらいに観ました。
久しぶりにしっかり観ましたが、やはりいい作品です。
アカデミー賞の外国語映画部門でノミネートされましたが、惜しくも受賞ならず。。。
この年はNo Man's Land (Bosnia-Herzegovina) – Danis Tanovićがとります。
ちょっとついてなかったですね、、、この映画、日本公開してすぐに見に行きましたが、よかったです。。すごく。。。(そのとき買ったノーマンズランドTシャツもいまだに持ってます) アメリカ同時多発テロ後最初のアカデミー賞だったので、それも影響したかもしれません。(この映画は戦争の虚しさみたいなのをテーマにしてます)
関係ないですがウッディアレンが現在までに唯一出席したアカデミー賞でした。
日本版DVD
DVDは日本正規版。
日本で早くからDVDが発売されていたことや、近年になってAamir Khanの映画が日本で上映(3idiots/きっとうまくいく , PK)されたのでかなり日本の方も見てると思います。
本当にいい映画ですが、まだ観てない方は是非!って訳でもありません。。。いろんな方のレヴューにありますが、やはり長い(224分)!! なれてない方はきついかもしれません。。。2,000年代以前のインド映画は本当に3時間超えはザラだったので、以前は気になる長さではなかったのですが。。。
もうあらすじなども出まわっているのでここでは省きます。
そもそもこの映画はすべてがスバラシイのですが、今から見るとキャスティングがひじょうによかった。メインストリームで主演を張っているのは相変わらずアーミル・カーンだけですが、クリケットチームのメンバーは曲者ぞろいです。
Cast
クリケットチームのメンバー
人数が多いのでぱっと見て名前の出ない方は省き思い入れの強い順に紹介。
⑤ Daya Shankar Pandey as Goli
石投げで畑の鳥を追い払うのが得意なゴーリー。
常にうでをぐるぐる回して石投げをしており、ボーラーの時は同じ要領で投げてました。常にBhura(Raghubir Yadav)と喧嘩をしており、このメンバーの中ではあまり見せ場はなかった気がします。
その後のキャリアを見ると個人的にはベストの一人です。
主演はしませんが、上手いセリフ回しと小粋な表情がとても魅力的な俳優です。
最近はあまり映画に出演していないようです。
Mumbai Se Aaya Mera Dost:2003
出番は多くなかったですが、この後の映画で見せる演技の片鱗をみました。
Swades:2004
主人公(シャールクカーン)の良き理解者で、学校に来れない子供の村を一緒に回ります。
Delhi6:2009
劇中Old Delhiで起こった事件を取材するキャスター役。
チョイ役に近かったのですが、彼が見せる表情は最高です!
とにかく魅力的な役者です。
⑥ Aamir Khan as Bhuvan
この人は2番手。
説明不要!世界的大スター!
前アメリカ大統領のオバマ婦人が彼の大ファンだってことで話題にもなりましたね。
彼はこの映画の製作も手掛けておりキャスティング(英国人も)を入念にチェックしかなり気合を入れて臨んだそうです。
しかしAamir Khan物では個人的に " Raja Hindustani:1996) "を超える映画は未だに存在しません。これは不変であり今後彼が何をやろうとも超えることはありません。
「クリケットを自分たちは小さいころからGilli Dandaをやっていたんでちょろいよ!」と調子にのって安易に言い出すところ、わけわからんけど強がっているとこ、最近はこういった演技(役)がないですが、以前のAamirはこんなんが多かったですね。
① Yashpal Sharma as Lakha
この映画もそうですがネガティブロールが多いです。
Aarakshan(2011)では善良な農民を好演してます。
この人もいい役者さんです。
③ Raghubir Yadav as Bhura
Aamir khanを除くとこの映画の撮影時では一番な名の知られていた役者さんかもしれません。
Meenaxi: A Tale of Three Cities(2004)では好演してます。アート系の映画にも多く出演してますね。
米国アカデミー賞にノミネートされた " Salaam Bombay!(1988) " にも重要な役で出演してます。
⑨ Pradeep Rawat as Deva Singh Sodhi
テルグ映画界がメインですが、何といってもこの人は " Ghajini(2008) "
超凶悪な役をこなし、映画を観ていて本当に早くコイツを成敗してほしいと思わせる演技をしました。
Ghajiniフィーバーをインドで体験してますので、とにかく強烈に印象に残ってます。
その他の曲者俳優陣もその後活躍しており、本作の監督Ashutosh Gowariker , 助監督Apoorva Lakhiaの作品に出演してスバラシイ演技を続けてます。
またRakeysh Omprakash MehraのDelhi6(2009)にAamir Khanを除くチームメンバーがほぼ全員出演しているので本作が好きな方はこちらも必見!
※Delhi6、、、。HITはしませんでしたが、これもスバラシイ映画で、Lagaanチームも好演してます。興味のある方はLagaan後、是非見て頂きたい。
クリケットチーム以外の気になるキャスト
Kulbhushan Kharbanda as Raja Puran Singh
キャリア40年を超える名優!
あらゆるジャンルの映画に出演して、とにかく "シブイ!!!"
本作でもイギリスに事実上支配されたマハラジャの苦悩を見事に表情で演じてました。
Shaan(1980) ではLagaanのキャプテンラッセルをはるかに上回る憎たらしい演技をしてます。
Shashi Kapoor , Sunil Dutt , Amitabh Bachchanの大スターを差し置いてインパクト絶大です。
見てください!このふざけた顔!どうすりゃこんな顔ができるんでしょうか?
*この演技でFilmfare Best Negative Roleを受賞。
そしてもう一人
Paul Blackthorne as Captain Andrew Russell
なんでしょうね。。
すごく憎たらしいんですよ、この人。
早く痛めつけてほしいと思いながら観てました。
これだけ憎たらしいと思わせる演技、、、。やはりこの人の演技も素晴らしいんでしょう。
Lagaan後はドラマのゲスト出演等が多いみたいです。
Location
恐らく全編Gujarat州で撮られていると思います。
殆どのシーンはBhuj周辺。
それ以外で確認できたのはCaptain Andrew Russellの屋敷に使われていた、
MandviのVijay Vilas Palace
1929年に完成した別荘です。
当時のMaharao(maharaja) Shri Khengarji IIIが息子(Yuvraj Shri Vijayaraji)の為に10年かけて建てました。
現在は宮殿ホテルになっているようです。
因みに " HUM DI DE CHUKE SANAM(1999) "でも使われています。
Chand Chupa Badal Mein - Hum Dil De Chuke Sanam [1999]
Gujaratはほとんど知らないんですよね。。。
カッチ湿原とGir Forest National Parkに行ったことがありますが、最後に行ったのはもう20年以上前になります。
総評
疑う余地のないボリウッドの名作。
興行的には2001年の3番手でした。なぜにこれだけの映画が国内で年間3番だったのか?
この年は数年に一度の当たり年で、Lagaanと同日公開(15JUN'2001)の
" Gadar - Ek Prem Katha " (No.1 Hit)がでてしまったのです。
印パものですから国内ではこちらのほうが強いですね。。
1,999年にカルギーリ紛争もあったばかりだったので関心が強かったかもしれません。
そしてNo.2 Hitは" Kabhi Khushi Kabhie Gham... "
説明不要の名作です。
しばらく見てませんが、今見ても泣くかもしれません。。。
映画の評価は別として興行でこの2作が上になるのは仕方ないでしょう。。
参考まで2001年の他の代表作
" Dil Chahta Hai " No.5 Hit
同じくAamir Khan主演のオールスターキャストの名作
それと忘れていけないのが
" Asoka " No.13
インド史上に残る巨額な製作費をかけ、世紀の大ゴケしてしまった歴史大作!!
海外にも出品しており(タイでもDVDが発売され知っているタイ人も結構います)かなり気合が入っていましたが、Flopの代名詞みたいな映画になってしまいました。
自分の中でボリウッドでコケた映画といえば " Asoka "一択です。
2001年は話題作が多かった年ですが、賞レースはLagaanの圧勝です。
最終的に米国アカデミー賞ノミネートまで行きつきました。
スバラシイ映画でAamir Khanの気合が入りまくり成功した作品ですが、インド映画ですので突っ込みどころがないわけではありません。
これはクリケットのルールが詳しくなくともポイントの入り方がわかればすぐに気づきます。
映画の終盤 インドチームは314ポイント。
ここでKachraが2ランをあげるが、次の場面でインドチームのポイントが313ポイントと減っいるのです。
どうでもいいことですが、気が付いたので語ってみました。。。
他にも自分が知っている限りのクリケットの知識からおかしなとこが数か所ありましたが、映画の出来とは全く関係ないので気にしてはいけません。
映画の内容などについてはググればいろいろな方が紹介しているようですので、そちらを見て頂ければいいと思います。
自分は今回久しぶりにLagaanを観て
Daya Shankar Pandey
を紹介したいと思い長々と綴ってしまいました。
以上2001年インド映画史上の残る名作『Lagaan』でした。