Bollywood No.006
Mujhse Shaadi Karogi (2004)
今回はSalman Khanの " Mujhse Shaadi Karogi " 2004年のNo.4 Hit!!!
2000年代前半はAkshay Kumar,Sunil Shettyといったアクション映画のスターがコメディに頻繁に出演するようになり、本作も含め下記4作は個人的には2000年代の5大コメディ映画と位置付けてます。




左からHera Pheri(2000) , Malmaal Weekly(2006) , Phir Hera Pheri(2006) , Chup Chup Ke(2006)
上記の4本は当時のトップコメディ俳優陣を集めて制作した文句なしの傑作です。
今回は別の映画の話なのであまり語りませんが、特筆すべきはParesh Rawalが4本(Mujhse Shaadi Karogi以外)に出演してます。4本全てで流石のパフォーマンスをしてます。また、このジャンルの俳優(彼は自分の事をコメディアンではなく俳優と呼んでくれ!と常々語ってます)としては個人的に1番好きなRajpal Yadavも4本(Hera Pheri以外)に出演、最近このころのようなコメディ映画に出なくなりましたが、彼は常々「自分の事をコメディアンではなく俳優として見てほしい」といってましたのでその辺が関係しているか。。
テキトーに解説
爆笑シーン満載のラブコメディ。
サミール(Salman Khan)の幼少時代から話が始まり、青年期の失恋を機にムンバイからゴアへ移住。ゴアへ移動中の汽車でスーラジ/Satish Shahと出会い、その後に続くコメディシーンの振りになるなど、ところどころショーもないコメディシーンがしつこく出てきます。
ゴア到着後はコメディシーンの連続です。
特にラニー(Priyanka Chopra)と出会ってからは彼女の父親(Amrish Puri)とサミールの絡み、サミールの住む家の大家ミスタードゥガール(Kader Khan)の病気などが笑わせてくれます。
そして突如ヘリコプターにぶら下がってサニー(Akshay Kumar)が登場。
突然出てきたサニーと同じくラニーの家へ居候、サミールの同居人となり、これも同じくラニーに一目ぼれします。
サミールより一枚上手のサニーはすべてにおいてサミールを出し抜き、ひたすらサミールの邪魔をします。
サニーはラニーの家族とも上手くやるような男で、最後はサミールもラニーを諦めゴアを出ていこうとします。
しかし実はこのサニー、サミールの幼馴染のアルンでサミールの祖母からサミールの現況を聞きサミールを助ける為ゴアに来ていたのです。
最後はサニーのプランにより、クリケットの印パ親善試合が行われている会場でサミールはラニーにプロポーズします。
この時クリケットのインドナショナルチームが数名登場するのですが、極めつけは2004年時点でインドがワールドカップ(1983)に勝った最初で最後のキャプテン " Kapil Dev " の登場。なぜにこれが極め付けなのか? 実は以前 DelhiのKarnail Singh Stadiumでお会いしたことがありKapil Devのスター振りを目にしたことがあるのです。しかも運のいいことに簡単な会話をすることができ丁寧な対応をしてもらった記憶があります。因みにその後インドのクリケットは2011年まで(キャプテンはM.S Dhoni*2016年に映画化されましたね。。)タイトルを待つことになります。
Cast
Salman Khan as Sameer
演技力などより雰囲気でやっています。演技力を表にだすとコケることが多いですね。下手ではないと思いますが、インド人がSalmanに求めているのはそういうことではないからでしょう、、。
本作の監督 David Dhawan とのコンビは定番で大抵役名はPremなんですが今回はSameerでしたね。2000年代に入ってから出演作がHITしませんでしたが今作のHITを機にコメディ路線でこの後乗っていきました。
アクションもいいですが、この路線のSalman物はかなりいいですね。特にサポートにスター俳優が入り彼らがSalmanをよく生かしてます。今回のAkshay Kumarみたいに。。。
Akshay Kumar as Sunny (Arun)
完全にふざけておりヘリコプターのぶら下がり登場から最後の数分までは今回は遊びにきているのかと思わせるほどの演技でした。キャリア初期はアクションが多かったですがHera Pheri(2000)、Awara Paagal Deewana(2002)辺りから大人数型のコメディに出始め今作で一気にマルチ俳優として確立したと思ってます。この後この系統の役をこなしていき、どれも独特の雰囲気を作ってます。Garam Masala(2005)、Jaan-E-Mann(2006)などを経て2007、2008年でキャリアのピークに達しました。
今回のサニーはまさにAkshayの為の配役といっていいでしょう。
Akshay Kumar作品をを初めてシアターでみたのは。。Sapoot(1996) をKolkataのNew Empireで見ました。共演はSunil Shetty、Sonali Bendre、Karisma Kapoorとスーパーキャストです。
今回サミールとサニーの居候先の大家役(怪我の後遺症で日によって目が見えない、耳が聞こえない、口がきけないなどの症状がでてしまう)のKader KhanがアンダーワールドのドンでAkshayとSunilの父親役をやってます。
キャスティングの良さなどすごく真面目に作っていると思うのですが、ストーリーがメチャクチャですが、二人のアクションにインドの観客は熱狂するのです。
Priyanka Chopra as Rani
2000年にミスワールド受賞後、2002年にデヴューしたので本作公開時で2年しかキャリアを積んでいません。この時はまだお飾りの域を脱していない印象でした。ダンスも固くイマイチでしたね。
この後、彼女が本当に評価されるのは Fashion(2009)まで待つことになります。途中のBluffmaster!(2005)、Salaam-e-Ishq: A Tribute to Love(2007)なんかもよかったですが。。Fashion以降は完全に一流女優の格付けになりました。以前女房がアメリカのドラマをみていたら「この人インド人みたい顔してるねえ。。」と、、、よく見るとPriyankaでないですか!!!アメリカのドラマでも主演を務めてます。シーズン3まで来ているのでショボくはなさそうです。ちょろっとみましたが興味なかったですね。。
Amrish Puri as Colonel Jugraj
この映画の翌年2005年に亡くなりました。自分の中ではボリウッド映画で厳格で怖い父親役の似合う2大俳優の一人(もう一人はOm Puriでこの方も2017年に亡くなりました)と考えており、この2人がいなくなったら誰が演じるんだろう?と思ってました。2021年時点で跡継ぎはいませんね。。。
今回もあの独特の喉の奥から声を出してくるような怒鳴り声で面白く演じてくれました。
余談。。この方を知ってる人ならまず知らないことはないと思いますが、Indiana Jones and the Temple of Doom(1984)*インディジョーンズのパート2でハリソンフォードと重要な役で共演してます。
Rajpal Yadav as Raj Purohit Jyotshi and Paul (Dual role)
最も好きな俳優の一人です。
まだこの頃は彼の魅力は全て発揮されてません。
2005-2010年くらいにかけてはコメディ映画でこの人を観ないことはないぐらい出演してました。最近はアート系の映画に出ているようで出演が減ってますね。。数年前からコメディアンと呼ばれるのを嫌がっていたので(結構本気だったんですね)控えているのでしょうか?
今作ではダブルロールですが暴走族のリーダー役はたいして見どころはありません。
Kapil Dev(本人役)
まさかの本人登場!
クリケットを知っている人、インド人には説明不要のスーパースター!!!
インドが初めてワールドカップに優勝した時のThe Captain。
今作公開の2004年の時点ではインド唯一のワールドカップ優勝です。(*2011年に豪華タレントのスーパーチームで2回目の優勝を飾ってます。この時のCaptainは今年現役を引退したMahendra Singh Dhoni。
実は以前デリーのクリケット場でKapil Devに会ったことがあり、運のいいことに少し会話をすることもできました。すでに現役引退して何年もたってましたがさすがにすごい貫禄がありました。
現役時代を知らないので、好きなクリケット選手は?と問われれば『Sachin Ramesh Tendulkar』と答えますが、Kapil Devには特別な思い入れはあります。
気になるところで。。
Vindu Dara Singh
右の赤頭の方です。
暴走族の新鋭隊長役、サミールにあっという間に成敗されます。
この方映画、TVで活躍してますが、お父さんが日本にゆかりがあります。
父:Dara Singh
元インドのプロレスラーで日本、アメリカのリングに上がってます。
日本でおなじみのタイガージェットシンと凌ぎを削り、1955年にはなんと日本のリングで力道山と試合をして空手チョップでフォール負けをしてます。Wrestling Observer Newsletterで殿堂もしている偉大なレスラーでした。得意技はインディアンデスロック
Dara Singh vs. Rikidozan- (1955 ) JPWA Asia Single Championship League Battle Official
レスラー時代、、かっこいいんですよね。。
俳優として。。日本ではKal Ho Naa Ho(2003)の優しいお爺さん役で見かけた人もいるでしょう。
Location
ミュージックシーンはモーリシャス(ビーチ)、ドバイ(砂漠)、その他はゴア。
最後のプロポーズシーンはThe Pandit Jawaharlal Nehru Stadium(ゴア)。
Music Scene
Laal Dupattaがスーパーヒットしましたが、この曲が秀逸!
Aaja Soniye
Aaja Soniye [Full Song] Mujhse Shaadi Karogi
ノリノリのダンスナンバーです。これを観てもPriyankaがどうもしっくりこないんですよね。。。振付等がSalman仕様なせいか。。。しかしナンバーは最高です。この映画を最初に見た次の日には黒シャツとチャコールグレーのネクタイを買いました。
総評
Salman Khan , Akshay Kumar , Amrish Puriは文句のつけようがなく、Priyanka Chopra , Rajpal Yadavはこの後実力を発揮していきます。ミュージックシーンはどれも素晴らしく最初から最後まで楽しめる作品!