Bollywood No.022
-Chup Chup Ke/चुप चुप के (2006)-
-DVD鑑賞-
女房のリクエストは『前回はダサいボビーだったので今回はカッコいい俳優がみたい!』との事。
自分としてはちょっとゆるい感じのコメディが観たかったので本作を選択。
当然女房の条件、いい男→【Shahid Kapoor】も満たしてます。
2006年のボリウッドはいろいろな事が重なり当たり年でした。
Dhoom2 , Lage Raho Munnabhai , Krrish , Phir Hera Pheriなどヒット作の続編、Kajolの復帰【Fanaa】, マルチキャストのコメディ映画ブーム【Golmaal , Malamaal Weekly】。そんな中でShahid Kapoor主演の【Vivah】異例のロングランでBlockbuster!そんな中だったため本作は年間20位とヒットできず。。。
しかし当時、私生活のパートナーであったShahid KapoorとKareena Kapoorの共演、この年乗りに乗っていたRajpal Yadav、安定のParesh Rawal、そして監督はコメディの帝王Priyadarshanとスターパワーは十分!
テキトーに解説
借金まみれのJeetu(Shahid Kapoor)は自身にかけられた保険金で返済をしようと海に飛び込み自殺を図ります。借金の取り立てをメインに行っているSharmajiを演じているのがAsraniであるところから、この後真面目なドラマになるわけがないことを証明してます。
自殺を図ったJeetuが目を覚ますと漁船のオーナーGundya(Paresh Rawal)と子分のBandya(Rajpal Yadav)に偶然助けられ病院にいました。このGundya自身も借金をかかえていた為、Jeetuを金持ちだと思い込み(Jeetuの持っていた返済リストを貸し付けリストと勘違い)助けたんですね。。
ここでJeetuは自分が生きていると保険が下りないのでとっさに聾唖者のふりをして二人とともに行動をしていきます。。。
Gundyaは借金の方にとられた船を取り戻すべく返済相手のグジャラート人実業家のPrabhat Singh Chauhan(Om Puri)を訪ねます。Prabhat Singhは船を返す変わりにBandyaとJeetuの二人を使用人として屋敷に置くのですが、この使用人としての二人のやり取りはサイコーなんです。流石、プリヤダルシャンで大爆笑シーンの連続。
そしてJeetuがこの屋敷で出会ったのが同じ?聾唖者のShruti(Kareena Kapoor)。
ShurutiはPrabhat Singhの姪で娘のMeenakshi(Neha Dhupia) とは常に一緒にいます。
しかしある日酔っ払ったJeetuが外にでて大声で歌っているところをShrutiとMeenakshiに目撃されるところからいろいろと複雑に。。。。
Cast
Shahid Kapoor as Jeetu Prasad Sharma
俳優デヴュー 3年目でまだ初々しさがあります。Shahid出演作もまだ記事にはしてなかったですね。
父は名優Pankaj Kapur
母はTV女優、異父兄弟のIshaan KhatterとはVaah! Life Ho Toh Aisi!(2005)で共演、と芸能一家。
元々ダンサー出身でしたのでダンスのレベルは他の出演者とはレベルが違いましたが、この映画まで俳優としての主なヒットはなし(同年5月に36CHINA TOWNがSemi Hitしましたがマルチキャストでした)。彼が映画をHitさせるのは同年11月のVivah(2006)ですが、彼のスターパワーといったよりは脚本ありきのHitでしたね。その後はJab We Met(2007) , Kaminey(2009)で演技も評価されスター街道を走っておりますが、ここ数年は脚本にこだわっているように感じます。一時期Shahidは南インドをフューチャーした作品に多く出演するようになりました(Prabhu Devaの影響があるようですが)が引き続きアート系の映画などでも好演してます。
役選びではRanbir Kapoorが最も極端ですが『普通の役はやりたくない!』と少し奇抜な役柄を好んでいるような気がします。最近は彼の演技に拒否反応がでて作品をすっかりみなくなってしまいましたね。。
Shahidをみるなら!個人的おすすめ3本
R... Rajkumar(2013)
元々Rambo Rajkumarの題名でしたが、スタローンのRamboの著作に引っかかりタイトル変更されました。Shahidが体でぶつかり合うアクションを演じたのは本作が最初。
批評家にはかなりコケにされましたが、おバカシーンが多くこれぞマサラムービーといった内容。監督/脚本/演出/振付/カメオ出演をPrabhu Devaがこなしておりダンスシーンはさすがにクオリティが高いです。
興行的には当然コケました
Mausam(2011)
監督は実父Pankaj Kapoor
美男(Shahid Kapoor)美女(Sonam Kapoor)の古典的映画です。
1990年以降の実際に起きた宗教問題などが入っておりなかなか見事なストーリーです。
こちらも興行ではがっつりとコケました。雰囲気はすごくいいんですが、ちょっと退屈と感じた人が多かったんですかね。。。
Haider(2014)
そして、最後はやはりこれ!
Vishal Bhardwaj監督のシェイクスピア3部作の3作目。
本作はハムレットをベースにした2014年の名作。
キャスティング、演出、カシミールのロケ地と全てが素晴らしい。
Shahidは本作で2014年の演技賞を総ナメ!
2019年はKabir SinghでBlockbusterを飛ばしたばかりですが、実は2015年のShaandaar(2015)を最後にShahid作品を見てません。
次回作は『Jersey』
2020年の公開予定で撮影も終わってますが、COVID-19の影響で公開できず。
最新のアップデートでは2021年のDiwali公開予定。
年を取った元クリケッターが引退して10年後にインドチームでプレイするために復帰をする物語。Shahidはそのクリケッター役で彼のコーチ役を実の父Pankaj Kapurが演じてます。
実はまではいきませんが、80年代から90年代に活躍した実際のインド人クリケッター " Raman Lamba "の物語からインスパイアされてます。Ramanは1998にクリケットの試合中のアクシデントで昏睡状態に陥りその後亡くなってます。
因みにRamanはキャリアの中で10年のブランクをつくってませんが、どの辺をインスパイアしたんですかね?
Kareena Kapoor as Shruti Verma Chauhan
この映画の撮影時はまだShahidのパートナーでしたが、今ではSaif Ali Khan夫人となりました。この映画を観終わったときに友人に「なんか今回はkareenaがかわいかったねえ。。。」と話したら。「しゃべんなかったからでしょう。。」と返されました。
確かにこの作品の前まではキャッキャいってるイメージが強く、こんなおしとやかな役をやると顔つきも全然ちがうんだと感心したものです。
こちらで一度紹介してますが、さすがに5年も経つと大人っぽくなってきました。
Neha Dhupia as Meenakshi Singh Chauhan
今では、いろんな役をこなすNeha Dupiaです。
南インド出身の元ミスインディアを取っている美人。
デビュー当時から気に入っている女優さんの一人ですが昨年ついにAngad Bedi(この人は良く知りませんがお父さんは元インドナショナルチームで活躍した名ボウラー)と結婚してしまいました。
2000年に日本映画に出演した経歴の持ち主
ナトゥ 踊る!ニンジャ伝説(2000)
コメディのセカンドヒロインみたいな役が多いのですが、Rajat Kapoorのグループで出演したりといろいろと幅の広い演技をしてます。
Suniel Shetty as Mangal Singh Chauhan
今では、制作会社【Popcorn Motion Pictures】のオーナーを務め、娘のAthiya ShettyはHero(2015)でデヴューしてます。
自分がリアルタイム見た最初のアクションスターはAkshay Kumarとこの人。
俳優デヴューはBalwaan(1992)、なんとDivya Bhartiといきなり共演!彼女は19歳で不慮の事故(暗殺説も有)で亡くなっておりますので貴重な経験でしたね。
ちなみに当時,名前のスペルは "SUNIL"でした。2014年に数秘術上の理由から改名してます。
Sunielの3本 ※マルチキャストのHera Pheriシリーズは省きます。
Dhadkan(2000)
音楽はヒットしましたが、映画はあまり売れませんでした。
個人的には2000年の隠れた名作!
既にアクションオンリーから脱皮しシリアスな演技も始めていましたが、キャリアベストの演技でしょう。
SunielとMahima Chaudhryの悪役コンビは主役の二人(Shilpa ShettyとSunielの盟友Akshay Kumar)を食ってました。
この演技でSunielはキャリア唯一のFilmfare Awardを受賞【Best Performance in a Negative Role/最優秀悪役賞】
Main Hoon Na(2004)
こちらも悪役
大半が学園ラブコメディみたいな雰囲気のところにシリアスな場面を演出してます。
Farah Khan初監督作、SRK主演の年間No.2 Hit!
Sapoot(1996)
まだKolkataがCalcuttaだった頃、当時New MarketそばにあるNew Empireで鑑賞。
まだ椅子のない地べたに座る席がある時代に、Rs20くらいで仕事終わりのインド人とごちゃごちゃになって観た思い入れのある作品。
言葉も全くわからない状態でしたが、かなりエキサイトしました。
インドでインド人と映画をみるとはこういうことなのだと実感させてくれたのがこの映画。
映画はずっこけましたが、音楽はなかなか出来が良く下記の曲はしばらく頭から離れなかったのを覚えてます。
Kajal Kajal
www.youtube.com
Paresh Rawal as Gundya
出演作は100作を超え90年代以降はTopコメディ俳優として君臨。
御年64となりましたが、依然年間2,3本に出演してます。
下記2作品で紹介すみ
Rajpal Yadav as Bandya
個人的にはParesh Rawalと並んで2000年代ベストのコメディ俳優。
二人が揃った時には大爆笑が確約されていると言ってもいいでしょう。
最近はプロデュース業などにも手をだしているせいか出演ペースも減っており、
コメディアンとしての演技も少なくなりました。
その他サブキャストも豪華
2017年に亡くなったOm Puri , Anupam Khel , Shakti Kapoor , Manoj Joshi , AsraniとHera Pheri(2000) やMalmaal Weekly(2006)などでPriyadarshanが起用したベテラン陣が勢ぞろい。
Music Scene
当時のTop音楽プロデューサーHimesh Reshammiyaが担当
Dil Vich Lagya Ve
"Dil Vich Lagya Ve" Full Song | Chup Chup Ke | Shahid Kapoor, Kareena Kapoor
必見のダンスソング!! Shahidが一人次元の違う動きをしてます。
Shabe Firaq
Shabe Firaq (Aaya Re) [Full Song] | Chup Chup Ke
映画の挿入歌ではないですがこれが一番ヒットしました。VocalはHimesh自身。
LOCATION
主にDelhiとDelhiのFilm Studioのようですが、港のシーンなどはどこですかね?
まとめ
映画はズッコケでおり各誌の批評でも評価がかなり低かったですが、監督、ベテラン俳優陣のパワーでいくつかの大爆笑シーンは約束されてます。音楽は流石Himeshといったものが多く秀逸。
UTVのオリジナルDVDには珍しくフォトブックがついてます。