Bollywood No.030
-Raja Hindustani(1996)-
1996年の年間No.1Movie.
興行収入ではNo,2のAGNI SAKSHIを大きく離しブッチギリのNo.1でした。
当時貧乏旅行をしている最中でインドに半年近く滞在してました。運のいいことにこの素晴らしい作品を現地で見ることができたのです。
1度目はCalcutta(当時はまだカルカッタと呼ばれてました⇒KOLKATA/2001~)のElite Cinema。この時の強烈な印象により数か月後にハリヤーナ州のRewaliで2回目の観賞。
当時映画館の料金は15Rs程度~
もちろんこれに手が届かない方もインドにはいますが多くの人が見に行ける料金です。
日本のように映画に行くのに少し躊躇してしまうような料金ではありません。
カルカッタでは平日の夜に見にいったのですが、仕事終わりの労働者でパンパンで立ち見もでていたと記憶してます。
それまでに何本かはインド映画も見てましたがこの映画ほどヒットした映画をみていません。まさに泣いて笑ってドキドキする、80~90年代のインド映画に必要な要素が全て詰まっているような作品で、改めて映画とは娯楽であると認識させてくれた作品。
また、劇場での興奮からやはりインド映画はインドでインド人とみるべきものだと再確認させられました。
これは今でも変わらない考えではありますが、2000年代中盤以降からのシネコンの登場で映画館のクオリティにより料金/客層の違いがでてきたので一概に言えなくなりました。
当時はインターネットなどはないので、街角のティーストールなどで情報を得るのですが、自分の場合はカルカッタNew Market近くLindsay Stにあるサンドウィッチ屋で朝食をとりながら店のオーナーから「何がヒットしてんの?」と聞き出してました。忙しいときは店に置いてある新聞から近隣の映画館情報を調べて見に行ってたんですね。
とにかくこの『Raja Hindustani』という映画は自分にとって最も大事なインド映画であり、今でも手持ちのDVDを2年に一回くらい見てます。
前回は女房がマノーラ(タイ南部の伝統舞踊)を舞うため一週間田舎に帰郷しているときに見ました。
こういう映画を見るときは事前の準備を万端にしなくてはなりません。
この日のためにMekhongウィスキーの新ボトルを開封!ウィスキーに飲まれるとまずいので水と氷りで薄々にします。つまみはLays海苔塩味。LEONAの食べるものはないですが寄ってきます。。。
テキトーに解説
ムンバイの大富豪Mr. Sehgal(Suresh Oberoi)の一人娘Aarti(Karisma Kapoor)は、自分の誕生日の旅行に亡くなった母の思い出の地Palankhetという田舎町に行へ。。。
お供には屋敷の使用人であるKamal Singh(Navneet Nishan)とGulab Singh(Veeru Krishnan )が付き添いますが、この二人序盤は全く使い物になりません。
まず空港に到着した一行をタクシーが迎える予定でしたが手配できてない。
町の5スター【Taj Hotel】に行ってみると予約ができておらず。。。確認するとムンバイのTaj Hotelの予約をしているなどなど。。。
しかし空港でタクシーを手配できていないことがAartiに運命の出会いをもたらします。
空港の外に泊まって昼寝をしていたタクシードライバーにお供の二人が声を掛けますが相手にされず高額なタクシー代を提示されます。
この時お供の二人はタクシーの後部をみて『Raja Hindustani ? プレートナンバル 420? ぷぷっ!』笑います。
これはAarti演じるKarismaの祖父Raj KapoorがShree420(1955)で演じた田舎もんの浮浪者Rajにあやかってるんですね。因みにShree420のRajはチャールズ・チャップリン の【The Tramp】に影響を受けたキャラクター。
また、420はインドの刑法Section 420/不正行為、詐欺に対する刑法からもじっており タクシー代の高額提示⇒田舎の浮浪者風⇒車の後ろにRaja Hindustani/420とある事で笑われてるんですね。
そしてお決まりのパターンですがここで都会のお嬢様が登場し声をかけると一発で問題が解決。
空港からPalankhetへ送ってくれる運転手は地元のRaja Hindustani(Aamir Khan).
弟分のRajnikant(Kunal Khemu)を助手席に、主人であるAartiは後部座席。お供の二人は室内乗車を許されず天井の荷台に乗ります。
空港からPalankhetへの道はAartiにとってはとても魅力的なドライブとなりここで最初のナンバル『Aaye Ho Meri Zindagi Mein』が流れ映画の雰囲気があがります!
Palankhetではホテルの予約が取れておらず一行はRajaの叔父の家に泊まる事になります。これがきっかけでRajaとAartiの距離が一気に縮まり雨の日の山で二人はキスを。。。このキスシーンはかなり話題になりました、今でも少ないですが90年代のボリウッドでスターのキスシーンはほぼ皆無、しかもここまで濃密なキスシーンなので観客はかなり興奮。さすがにインターネット等もない90年代のインド、劇場内の仕事帰りの男どもは興奮で大騒ぎでした。
このキスの後Aartiは我に返り事の重大さを理解します。
結婚前の女性のすることではない!また自分とRajaの身分の違いを考えるとありえない話なのでしょう。
Rajaの叔父宅に戻ったAartiが動揺しているところに
『さーぷらーいず』
とAartiパパが登場。
ムンバイに居る継母Shalini(Archana Puran Singh)からパパはドイツに居ると聞かされていたのでびっくり!Rajaと濃密なキスをした直後だったのでサプライズどころではありません。
そして一行は翌朝の飛行機に乗る為、晩にPalankhetを出発。
インドで富豪の父ですから全て(人のスケジュールも)自分が決めることができます。
有無を言わず夜半にRajaの運転で出発。
途中車の渋滞に出くわし、Rajaの友人であるBalvant Singh(Johnny Lever)より祭りが開かれている為車は動かない!それならば祭りを見に行こう!となります。
ここで祭りの広場で踊るナンバルは1996年最大のヒット曲
『Pardesi Pardesi』
当時インド映画の話を日本の方とすると必ずと言っていいほど「あのいきなり踊りだす!」「ストーリーとは関係なく踊りだす!」と言われてましたが、そういった方には是非見ていただきたい。この曲がなければ成り立たないというほど重要なシーンなのです。
この曲の詩も手伝ってめでたくRajaとAartiは抱き合うのですが、これをパパが黙ってみているわけがありません。この抱き合っている間のタメがすばらしく、インドの事をよく知らない自分でさえパパはどうするのかとドキドキしたものです。インド人であるその他観客は自分以上にこの前で身分の低い男と抱き合う娘とパパとの関係にドキドキしたことでしょう。
ところが意外とパパは話がわかる。
最初は
『あーるてぃーぃーぃー❕❕』
と鬼の形相でしたが、AartiがRajaへの愛を解くうちにパパは条件を提示。
その条件とは・・・
「Rajaがムンバイに行き、社会の一員となれるように学ぶ」
というものでした。
しかしRajaはこれを拒否。自分にはそんな生活はできるわけがないと思ってるんですね。。
そしてAartiもRajaについて行くことを決心します。
ここでパパも諦めお供の二人を連れてムンバイに帰ろうとしますが、Kamal とGulabはRaja家の人柄を気に入ってしまい二人ともAartiと共に残ることにします。Kamalの方は男ぶってますがBalvant Singhと恋に落ち二人は結婚することに。。。
そして時は経ち、パパはやはり娘が気になり妻と一緒にPalankhetへ再訪・・
そして娘夫婦に家をプレゼントします。しかしRajaはこの家に住むことを拒否。Rajaは貧乏であるがために施しを受けることを良しとせず、また我々を受け入れてくれるのであればなぜ自分が家に戻るのを待たずに帰ってしまったのか?と立腹。
Aartiは取り直そうと説明しますが、流石に富豪のやる事を庶民が理解することは難しい。。。
この家族の混乱に乗じてAartiの継母は以前からの計画を実行し始めます。
元々この継母は自分の兄、甥のJai(Mohnish Bahl)と組んでSehgalの財産を騙し取ろうと模索していたのです。
継母一味はあらゆる手を使いRajaを陥れ何とか財産を自分たちのものにしようと画策していくのです。。。
RajaとAartiはいろいろな問題を抱え離れ離れになり、継母一味の企みで離婚寸前までいきます。とどめは二人の間にできた赤ちゃんをRajがSehgalの屋敷から誘拐しPalankhetへ連れ帰ってしまいます。
継母一味の企みは順調でしたが、簡単にボロがでてしまい二人の離婚を画策したことがSehgalにばれ継母はSehgalに激怒されビンタをくらいます。。
SehgalはAartiを連れPalankhetへ向かいますが、なぜかここに継母の兄と甥がマフィアを連れ登場!
何をしたいのかわかりませんが、とにかくRajを殺し赤ちゃんを奪おうとします。。。こんなことやってSehgalの財産が転がり込んでくるのかわかりませんが・・・
赤ちゃんを連れたRajは追い詰められますが、ここですべてを知ったSehgalがこの争いに登場!
そしてRaj(田舎もんのタクシードライバー)、Sehgal(大富豪)の戦闘素人二人に、恐らくプロであるはずの悪党一味が一網打尽にされてしまいます。。。
悪党退治が済んだところで、感動のエンディング、、、RajとAartiは誤解を解きPalankhetで仲間たちと暮らします。。。
Cast
Aamir Khan as Raja Hindustani
Lagaanで一度登場してますが、さほど触れていません。
3 Idiots(2009)の世界的ヒットで日本でも知っている人が増えたと思われます。
3 Idiotsはタイでも人気のインド映画ですが俳優の名前はどうでいいよう、、、タイでAamir Khanを知っている人は少ないです。
続いてPK(2014) , Dangal(2016)もヒットしてすっかり日本でも定着されましたね。
2020年にLaal Singh Chaddhaが控えてますが、コロナの影響で公開は2021年の12月になりそう。。この作品はトム・ハンクス 主演のフォレストガンプがベースになっておりプロットを調べるとインド風にした丸パクリっぽくなりそう。
Aamir Khanはこの手のパターンで大ヒットさせた実績があり、Laal Singh ChaddhaもBlockbusterの匂いがプンプンします。不安材料と言えば2020年のクリスマス公開から2021の4月に公開が延期になることでしょうか。。
以前からトップ俳優のなかでは演技に対しての評価は高く、監督/プロデューサーとしての評価も高いです。父と叔父も映画監督なのでもともとこちらの方が興味があるのかもしれませんね。
Aamir Khanも他の俳優陣と同様映画一家。
Khan–Hussain family
一家はほとんど監督/プロデューサーですが、
現役の俳優では
Aditi Rao Hydari(2番目の奥さんKiran Raoの姪)
*美人で華もありますが、キャリアのほとんどはサポーティングキャスト。最近は少し日の目をみてきました。。
Imran Khan(甥)
*2015年を最後に俳優業はしておらず、インタビューでは監督/プロデュースの仕事に興味があり、現時点では俳優業に戻る気はなさそう。。。彼の演技は気に入ってたのでちょっと残念です。。。叔父のAamirと同様ダンスはあまりうまくない。。
Aamir Khanは"Mr. Perfectionist" と呼ばれ、脚本選びなどもかなり慎重に選びます。演技の入り込みも相当なものから出演は年間1本ペース。個人的にはちょっと力みすぎじゃないか?と思わせる作品があります、特に2008年Ghajini以降。。
3 Idiots(2009) , Dhoom3(2013) , PK(2014)では独特なキャラクターを演じており現在Ranbir Kapoorがこの路線に入り込んでます。。。
Aamir Khanの3本
日本で公開されているメジャー作品
3 Idiots(2009)
Dhoom 3(2013)
PK(2014)
Dangal(2016)
等は除外。
Dil(1990)
Aamir Khan初期の名作、当時絶頂期にあったMadhuri Dixitとの共演。
Taare Zameen Par(2007)
監督/プロデューサーも兼務
Aamir Khanの出番はintermission後でしたが存在感は十分。
主演のDarsheel Safary君(演技当時8歳)には度肝を抜かれました。
素晴らしい作品であり、女房の友人のタイ人に勧めたところ絶賛してました。
Ghajini(2009)
前述しましたがAamir Khan渾身の一作、力んでます!
当時インドにおりGhajiniを見るためにRishikeshの友人宅に移ってましたが、Rishikesh唯一の映画館Rama Theaterが1週間全く入れず。。。地元の友人曰くこんなことはKabhi Khushi Kabhie Gham以来だったそう。。なんせスタッフへの賄賂も通じませんでした。。事前のプロモーションがうまくいったのでしょう、自分も公開前にサントラCD買っちゃいました。
アメリカ映画Memento(2000)のパクリ/Ghajini(2005/Tamil)のパクリですが、文句なし素晴らしい作品。
当時Rishikeshで出会ったヨガ生徒の日本人や欧米人にすすめました。彼らはヨガをするために来ているのであってボリウッド映画のことなど興味はありません。最初は拒否してましたが「あんたらMementoで泣けるかね?Ghajiniは泣くよ!」の殺し文句で何人かは自分と別れた後に見に行きました。その後メールなんかもらったのですが皆さん泣いてましたよ。。。
他にも素晴らしい作品に出演しており特に
2005-2009にかけては怒涛の名作6連発!
2005
Mangal Pandey: The Rising
2006
Rang De Basanti
Fanaa
2007
Taare Zameen Par
2008
Ghajini
2009
3 Idiots
彼の作品は毎年年末クリスマスシーズンに公開され、Eidのサルマン出演作と合わせて1年の目玉になってました。
Karisma Kapoor as Aarti Sehgal Hindustani
運のいいことにRewari(ハリヤーナー州)でこの映画を見た後にJaipur(ラージャスターン州)で彼女を見ることができました。この年インドのNo.1女優とあって人だかりがすごかったです。
映画一族Kapoor家の第4世代、先日tributeしたRishi Kapoorは彼女の叔父にあたります。
最初にスクリーンを通してみたときは「なんだこの目のでかい神秘的な美女は!?」と衝撃的でした。劇中の演技は今思えば特に素晴らしいものでもないですが、これぞKarisma Kapoorという演技。
完全にはまり役でしたね。
Karisma Kapoorのおすすめ3本
現在2度目の引退中、過去の出演作を見ても日本にいる方が彼女を観ることはほとんどありません。Raja Hindustaniを見てKarismaに興味を持った方は是非下記を参考に追っかけてみてください。
Zubeidaa(2001)
KarismaがFilmfare Critics Award for Best Actressを受賞した名作。
文句なし!彼女のベスト演技でしょう。
マハラジャの衰退などを描いた興味深いストーリー。。。
Shakti: The Power(2002)
SRK、Nana Patekar共演
NanaPatekarのキレた演技が強烈!
Sapoot(1996)
おまけに近いですが、これもインドのカルカッタで実際に劇場で鑑賞。
当時のスター4人が共演(Akshay Kumar / Suniel Shetty / Sonali Bendre / Karisma Kapoor)とあって盛り上がりました。
音楽はA級ですが、悪党をすべて倒してエンディングと終わりと思いきやその後わざわざヒロインのSonali Bendreを崖から落としてしまうというツッコミどころ満載のアクション映画。
Suresh Oberoi as Mr. Sehgal
Soldierに続いての紹介
今作はもう少し重要な役です。
アクションもこなし、娘とRajaの突拍子もない
行動に常時理解を示そうとする父を熱演!
Johnny Lever as Balvant Singh
ボリウッド史上屈指のコメディアン
This is Johnny Levelという演技を連発!サイコーの演技をしていました。
その他気になるとこ。。。
Mohnish Bahl・・・継母一味でAartiの従兄妹になります。好きなサポートキャストの一人、キャリア序盤は今回同様悪役が多く、キャリアを通じても悪役か良い人役ででてすぐ殺されてしまうかどちらかです。母は往年の大女優Nutan。
Farida Jalal・・・Rajuの叔母役。いつも通りの安定したお母さんをそつなくこなしてます。
後は無名時代のRazak Khanがムンバイのタクシードライバー役でちょこっと出演してます。
そしてもう一人大事な人を忘れてました。
Kunal Khemu as Rajnikant
公開時13歳
表現力、ダンスがすばらしく存在感があります。
出身は珍しくJammu and Kashmir州Srinagar生まれ
1998-2005年の間キャリアをストップさせてましたが(学業の為でしょうか?)
子役である程度の本数をこなした俳優としては珍しく未だにキャリアを続けております。復帰作の「Kalyug(2005)」は良かったのですが、その後はコメディ映画中心でマルチキャストの一人として活躍。彼にとって大きかったのはGolmaalシリーズに起用されたことでしょう(Golmaal3から登場)。
2014年に"HAIRCUT"というなかなか面白いショートムービーに出演しましたが、大した仕事はしてません。
そして2015年にはSoha Ali Khanと結婚!
これが何を意味するかと言うと、この結婚によって彼はPataudi familyの一員となりました。日本的に例えれば江戸時代の藩主のファミリーになったようなもんです。
現在Pataudiのナワーブ(藩王)はもちろんSoha Aliの兄Saif Ali Khan
詳しくは下記をどうぞ👇
今後の活躍に期待。。。
Music Scene
音楽はNadeem Saifi &Shravan Rathod のDuo.。1990年代から2000年代序盤にかけてのトップ音楽プロデューサー。
サウンドトラックはこの映画のメインの一つと言えるでしょう!ストーリーとの絡みといい、歌詞といい全てが素晴らしい!
オープニングで一曲流れますがストーリー上の一曲目
Aaye Ho Meri Zindagi Mein
Aaye Ho Meri Zindagi Mein (Male) | Aamir, Karisma | Udit Narayan | Raja Hindustani | 90's Hit
Udit Narayanの歌うこのナンバルは、私的ボリウッド映画音楽史上最も好きな曲の一つです。彼はこの曲でScreen Awardsを受賞!
序盤、空港からAarti一行を乗せPalankhetへ向かう途中で流れます。
Rajaは都会の娘Aartiに気を使いカーステレオで英語の曲をかけますが、Aartiのお気に召さず。。続いてインドのダンスミュージックをかけますがこれもダメ。。。次に感じのいいハミングがAartiに聞こえてきますがすぐに止まってしまうます。ここでAartiは「いい感じなのになぜ止めるのか?」と・・・
RajaとRajnikantは笑いながら「だって俺がうたったんだもん!」
そしてAartiのリクエストに応え曲が流れます。
周りの風景も相まってこの曲のクオリティをあげており・・・
とにかく素晴らしい曲です。
Pardesi Pardesi
この映画のメインとなる曲。
Udit Narayanはこの曲ではFilmfare Awardsを受賞。
パパとともにムンバイへ帰る途中の祭りで挿入されます。
Rajaの心情と歌詞がマッチして切ないものになってます。この曲がなければこの映画は成り立たないくらい重要な曲。
当時、インドをあちこち歩いてましたがこの曲を聞かない日は恐らくなかったでしょう。どこに行っても必ず耳にした記憶があります。
この時の自分はAjmerの音楽家が作ったインドの楽器サーランギー(Pardesi Pardesiの中で使用されてます)っぽいものを購入して持ち歩いてました。Ajmerに近いPushkarにしばらく滞在して毎日この曲だけを練習してたのですが、偶然通りかかったイタリア人が「♪♪Pardesi Pardesi Jana Nahi~♪♪」
ハモリ始めたので「君もRaja Hindustani見たのか?」と聞いたら
「なんだそれ?そんなもん知らんけどお前の弾いている曲は毎日聞くから覚えちゃったよ!」
・・・とにかくインド全土?でかかりまくってたんです。
そして2007年頃ですがRishikeshにいたとき現地で買ったバンスリのおもちゃで曲を弾いていたら名前を忘れましたがババの一人が全力で
「♪♪Pardesi Pardesi Jana Nahi~♪♪」
と始めます。軽く付き合っていたのですが、そのうち毎日やろう!(ババは暇なのです)となって毎日1時間くらいやってたのですが自分は音楽家ではないので途中で間違えたりするんですね。。。そうすると「ちが~あう 💢」と怒るのです。
こんなのに付き合っていたので流石に未だに問題なく弾けます。
そして忘れてはいけない!
特筆すべきはこの曲に出てくる二人のジプシーダンサー!
このダンサーがとにかくサイコーなんです。
しかも二人とも古典舞踊の演者ではなく女優さんなんですね。
Kalpana Iyer
モデルとしてキャリアをスタートし1978年のMissWorldではTop15に入ってます。
とにかくすごい存在感で曲の雰囲気を盛り上げます。
Pratibha Sinha
2000年にキャリアをストップしており女優としては成功しなかったようです。
ですが曲のなかでの表現力は素晴らしく彼女なくては成り立ちません。
お母さんは往年の名女優Mala Sinha。
Location
Ooty(Tamil Nadu)
Panchgani(Maharashtra)
Mandya/Mysore(Karnataka)
とほとんどが南インドでの撮影のようです。
ウッタラカンド州のRanikhetでも撮影されたようなことを聞いたことがありますがちょっと怪しいところです。。。
まとめ
この映画は自分のボリウッドキャリアにおいて最も重要な映画であり、まだまだ書きたりません。
今回久しぶりの観賞だったためか不覚にも最後でほろっと涙してしまいました。
冒頭に【インド映画に必要な要素が全て詰まっているような作品】と書きましたが、その理由は
- 家族愛・・・大富豪Mr.Sehgalの娘Aartiへの一途な愛情、さすがに許されんだろう!と思わせることを幾度となくされながらひたすら娘を愛し最後には悪党との格闘もします。悪役イメージの強いSuresh Oberoiですが、本作はすばらしい配役でしたね。
- 恋愛・・・いうまでもなくRajaとAarti。本来であれば最悪の組み合わせ(女性より男性の身分が低い)でありますが、この時期はこのパターンが結構受けており本作もここを取り入れたのもプラスのなりました。
- アクション・・・一応最後にあります。。。継母一味 vs Raja+Mr.Sehgal、相手はプロのはずですがRaja組の圧勝。とにかく甥のJaiが酷すぎた。。。悪党がここまで弱いと本来成り立ちませんが、アクション映画ではないので。。。
- 音楽/ダンスシーン・・・前述しましたが文句なし!音楽は秀逸です。
とこれだけの材料が全てそろった作品を当時のインドで2回も見れたことが本当に幸運でした。
その時のイメージが残っているから今DVDで見ても楽しめるんでしょうね。。
因みにソフトはDVDとVCD(3枚組)
最初にVCDを買うときまさかDVDみたいなもんがでる時代が来ると思わなかったんですね。。