Bollywood Star file.7
Arshad Warsi
見た目からはっきりとわかる曲者俳優。
映画デヴュー当時から見ている魅力的な俳優の一人です。
主役を演じることはほとんどありませんが、多くの作品で大物俳優と組んで映画の二番手俳優としてサポートしてます。
表現力の優れた俳優で、ギャングやチンピラなどをうまく演じ分けるんですね。
明るいギャングを演じさせればドジで面白い演技をしますし、怖いギャングを演じさせれば目つき鋭く迫力のある演技をします。
- Arshad Warsi
- 経歴
- キャリアスタート
- 映画デビュー
- ブレイク
- シリーズものとマルチキャストもの
- 賞レース
- Munna Bhai M.B.B.S. (2004)- Filmfare Award for Best Supporting Actor/ノミネート
- Hulchul(2005)-Filmfare Award for Best Performance in a Comic Role/ノミネート
- Salaam NamasteFil(2006)-mfare Award for Best Supporting Actor/ノミネート
- Lage Raho Munna Bhai(2007)-Filmfare Award for Best Performance in a Comic Role/受賞
- Ishqiya(2011)-Filmfare Award for Best Supporting Actor/ノミネート
- Arshad Warsiをみるならこの作品3選
- まとめ
経歴
身長168cmと意外と小柄、現在53歳で2児のパパです。
俳優デヴューは1996年(28歳)なので遅かったんですね。彼の持っている雰囲気は演技の質を見ると特に年齢は関係なさそう、どちらかと言えば40代くらいから魅力をはっきしそうなタイプですね。
ムンバイ出身のイスラム教徒で実際の名前はWarsiではなくKhan(カーン)だったのですが、イスラムの聖人Waris Pakから名前をとってWarsiになりました。幼少期は体操をしており当時ナショナルレベルにありましたが、暴走族の一員にもなったりといろいろと経験されてきているようです。この辺でグレた原因としては10代半ばで孤児になってますのでその辺にあるかもしれません。それでも17歳で化粧品の訪問販売なんかやってるので頑張って生きていこうとしてたんですね。
キャリアスタート
その後、撮影所での仕事をしながらダンスに興味を持ち始めます。ここからムンバイでダンスグループに参加しインド選手権優勝(商品はヤマハのバイク)⇒世界大会に参加もしてますが、どういったいきさつかわかりませんが1987年にMahesh Bhatt監督作で振付と助監督をしてるんです。ここで映画の世界に入ってくるわけですが俳優としてデヴューをするにはここから数年かかります。
映画デビュー
ダンスの世界大会で得たお金で自身のダンススタジオ『Awesome』を始める。なかなかセンスのあるスタジオ名ですね~、今思えば実に彼らしい。。。
このダンススタジオに参加したのが現在の奥さんMaria Goretti。
その後、英国の演劇の振付をし、ついにボリウッド映画(Mahesh Bhatt監督作)の振付をするようになります。
Roop Ki Rani Choron Ka Raja (1993)
この仕事の後、とあるパーティで映画監督のJoy Augustineに会います。そこでJoy Augustineの次回作の制作を手掛けるABCL Corp. Ltd.(Amitabh Bachchan Corporation Ltd.)へ写真を何点か提出するよう依頼されます。
送った写真が気に入られ彼は俳優デヴューをすることになります。
そのデヴュー作がこちら👇
Tere Mere Sapna(1996)
この作品ですがArshad Warsi だけでなくChandrachur Singhと Priya Gillも共にデヴューのトリプルデヴューを飾る作品。
1996年12月の公開ですが、当時半年近くインドに滞在していた時であり劇場で見ることができました。11月までに大型ムービーの公開ラッシュが続きひとつ落ち着いたタイミングでの公開。年末に帰国予定だったので最後に一本と思いカルカッタの劇場で観賞。
本作は一応" Hit " を記録してますが1996年は当たり年でそれ以上に印象に残る作品が多い。しかも自分は前の月にRaja Hindustani(年間No.1)とGhatak(年間No.4)を見ており、FlopはつきましたがSapoot(年間No.14)はとってもわかりやすいアツいインディアンアクションだったのでTere Mere Sapneはほとんど覚えてません。十年以上前にインドでDVDを見つけて買いましたがまだ封も切ってません。
その後、主役も含めて年間1~2本のペースで出演するも鳴かず飛ばず。。。
ブレイク
俳優デヴュー後目立った活躍のなかったArshadに運命の役が飛び込んできます。
2003年、Vidhu Vinod Chopra制作、Rajkumar Hirani監督作
『Munna Bhai M.B.B.S.』
このコンビは後に3 Idiots(2009)、PK(2014)、Sanju(2018)などインド国内だけでなく世界的ヒット作品を作り出します。Rajkumar Hiraniに至ってはこの作品が初監督作。
簡単に言えばマフィアのボスMunna(Sanjay Dutt)がある事をきっかけにインドで一番の大学の医学部に入学して医者になる!といったものだがこの中にこれでもか!と笑いがありそしてほろりと涙させるシーンを取り入れた名作!
Arshadはそのマフィアのボスの右腕のCircuitを演じます。
この役が見事にハマリ映画も当然Hit!
その後の作品ではコメディを中心に多くの作品に出演。
2006年にはMunna Bhai M.B.B.S.の続編Lage Raho Munna Bhai(年間No.2hit)にも出演。
ときどきシリアスなドラマにも出演してますが、Munna Bhai以降のArshad WarsiはほとんどCircuitと同じような演技をしてます。通常一つの役にイメージをつけられるのは役者さんは嫌がるようですが(ジェームス・ボンドがいい例)彼はこのCircuit風の演技をエンジョイしてますね。
シリーズものとマルチキャストもの
Munna Bhai以降の作品を見ていくといいサポートキャスとの他にMunna Bhaiの様にシリーズ化された作品と複数の有名キャストが同時に出演しているマルチキャストの作品が目立ちます。
シリーズものではMunna Bhaiの他
Golmaal(4作)
Ishqiya(2作)
Dhamaal(2作)
Jolly LLB(2作)
があります。
どれもそれなりにHitはしてますがGolmaalシリーズはインド最高のシリーズ作品でしょう。
タイミングが悪くGolmaal Againは見れてませんが、Arshadのベストは二作目のGolmaal Returnsかと思います。しょーもないおバカ振りがすばらしい。
マルチキャストものでは
Sunday (2008)
Krazzy 4(2008)
Mr Joe B. Carvalho(2014)
なんかがあげられます。
どれもコメディ映画でありArshadは自身の個性前回で演技をしてます。
賞レース
劇インドには数々のAwardがありますが、個人的にはFilmfareが公認と思ってますのでここではFilmfareがらみの話にしておきます。
通算5回のノミネートに受賞は1回
Munna Bhai M.B.B.S. (2004)- Filmfare Award for Best Supporting Actor/ノミネート
初ノミネートだったし当時ほぼ無名、そして受賞したのがKal Ho Naa Ho のSaif Ali Khanなので仕方ない。
Hulchul(2005)-Filmfare Award for Best Performance in a Comic Role/ノミネート
今は無きComic Role Award. ここでもSaif Ali(Hum Tum)に阻まれます。個人的にはSaif AliかAkshay Kumar(Mujhse Shaadi Karogi)でArshadはないですね。
Salaam NamasteFil(2006)-mfare Award for Best Supporting Actor/ノミネート
2004年の受賞を阻まれたSaif Aliとの共演作。受賞はSarkarのAbhishek Bachchanが2年連続の受賞。まあこの年のArshadはないでしょう。恐らく人数合わせに近いノミネート。
Lage Raho Munna Bhai(2007)-Filmfare Award for Best Performance in a Comic Role/受賞
文句ないでしょう!コメディの大当たり年でライバルが多かったですが、Circuitの個性がずば抜けてました。
Ishqiya(2011)-Filmfare Award for Best Supporting Actor/ノミネート
UdaanのRonit Royが受賞。Udaanは未見なので何とも言えませんが、Emraan Hashmi(Once Upon a Time in Mumbaai)でよかったのでは?Arshadの演技もすごく良かったですがこの年は激戦でしたね。
Arshad Warsiをみるならこの作品3選
Lage Raho Munna Bhai(2006)
Arshad出演では最大にヒット作。
Circuitの演技は前作よりパワーアップしておりさらに馴染んでます。
前回はマフィアのボスが医学部に入る為秀才の受験生を脅して替え玉合格しましたが、今回はラジオのガンディークイズをパスするために歴史学者を拉致してくるなどします。ちょっと漫画の『GTO』を思わせますね。
Arshadの役柄は前作同様、ボスをサポートするためには合法、非合法に関係なく何でもやります。
しかしこの作品はギャング映画ではなくあくまで愛と笑いの映画です。
Ishqiya(2010)
Arshadが出演している作品の中ではベストのひとつ。
Vishal Bhardwajが制作に関わっており作品としてはBhardwaj物と言っていいでしょう。
ストーリーの展開が面白く、Vidya Balan、Naseeruddin Shahが流石の演技。
Golmaal Returns (2008)
実際に劇場鑑賞しており観客の大爆笑の中にいたので少し盛っている部分もあると思いますがこれも見るべき作品でしょう。
シリーズ4作の中では一番Arshad節が出ていると思います。
ウッタラカンドのリシケシュはRamaシアターでみましたが、もう大爆笑に次ぐ大爆笑で凄い盛り上がりでした。
個人的な感想ですがこのRamaシアターのようなローカルの古い映画館のほうが笑いや盛り上がりがシンプルです。デリーなどの都市部で特にPVRのようなシネコンで見る雰囲気とは客層も違う(シネコンは高い)のでだいぶ違うでしょう。デリーで見るにはやはりShielaシアターがベスト。
こういう映画はやはりローカルシアターで見るのがいい。
ストーリーには深い意味はなく自分もお笑いシーンくらいしか覚えてません。
元々ダンサーであったArshadもノリノリで踊ってます。
まとめ
とにかく独特の雰囲気を持ち普通に話すだけで笑わせてくれるArshad Warsi。
年をとっても衰えることはないと思いますのでこれからもばりばり出演してほしいですね。