Bollywood No.034
Rab Ne Bana Di Jodi / रब ने बना दी जोड़ी (2008)
-DVD鑑賞-
前回アップしたGhajiniが年末にモンスターヒットとなった為に年間No.2になりましたがそれまでは2008年でトップの興行をあげてました。
2008年の公開時期(12月12日)、その年の用事が済んだのでパンジャーブまで降りてきてました。通常はPathankotに滞在して映画を観たりしてるのですが、2008年は友人に会うこともありAmritsarに数週間滞在してました。
11月にはDostanaを観たのですがすでにRab Ne Bana Di Jodi(RNBDJ)のプロモーションが激しく行われていたんですね。
Adarsh Cinema(Amritsar)
Dostanaの公開時ですがとにかくRNBDJのポスターが激しく貼ってあります。
ムンバイ同時多発テロの影響でプロモーションは控えめだったようですが、RNBDJは撮影地がモロにAmritsarだったためか他の場所より派手にプロモーションしたかもしれません。プロモーションイベントについては自粛していたと思いますが年末公開のGhajiniも含めてTVや広告でのプロモーションは激しく行われてました。
テキトーに解説
公開前にTrailerをしこたま見させられた感じでは、ダンスシーンは含まれているが地味な主人公と若い美女がからんだあまり派手な作品ではない印象をだったのですが、実にエンターテイメント性のあるGoodムービーでした。
冒頭で結婚式を迎えていたTaani(Anushka Sharma)、恩師であるTaaniの父に結婚式に招待されてきていたSuri(Shah Rukh Khan)。
突然、Taaniの結婚相手御一行が事故で全員亡くなり、ショックの為Taaniの父も亡くなります。Taaniの父は死の直前にTaaniとSuriにお互い結婚するように言い残していきます。
この辺の悲劇的ストーリーは映画ではよくある事なので落ち着いた立ち上がり。
父の遺言通りSuriと結婚し一緒に暮らし始めるTaani。。。
SuriはTaaniを見た瞬間から一目ぼれしておりますが結婚の状況、地味で真面目な性格から常にTaaniに気を使い(恐れ)ます。恐らくパンジャーブではありえないだろう結婚後に寝室を別にするなどTaaniの気持ちを汲んでいきます。
Taaniは毎日を死んだように生きておりSuriの気遣いに対しても「あなたを愛することはできないが、妻になれるように努力はしてみる」と伝えるのが精一杯。
ある日SuriはTaaniと映画を観に行きます。そこで初めてTaaniの楽しむ顔を見ることができたSuriはその後も定期的に映画に行くようになります。
因みにSuriが誘った映画館はなんとAdersh Cinema!My Favoriteシアターでまさに自分はAdarsh Cinemaでこの映画を観ていたのです!流石にこれには他の観客からも声が上がりました。
あるときTaaniは街で手に入れたチラシに目を止めます。
それはダンスコンペティションのポスターでTaaniはSuriに毎日家にいるだけでは退屈なので参加したい!と伝えます。Suriは参加費用は出して許可します。
SuriはダンスオーディションでTaaniがどのようにしているのか興味があり様子を見に行く事を考え、親友である美容師のBobby(Vinay Pathak)に相談します。Bobbyは結婚生活や自分の気持ちなど包み隠さず話すことのできる理解者なのです。
SuriはBobbyのアイデアと協力により変装をしてTaaniの様子を見に行くことに。。。
前半部はこんな感じ。。。
当時流行っていたダンスコンペティションを持ってくるなど古いスタイルだけの映画ではありません。SuriのTaaniに対する未だ受け入れてもらえない愛も苦悩に満ちた!といった感じでなく実にのんびりした感じで見ている側も悲壮感は感じません。また、Bobbyの登場でコメディの要素が入ってきて飽きさせませんね。
ダンス会場に行ったSuriはひょんなことから参加者とされTaaniとダンスのペアを組むことになります。そこでSuriは『Raj Kapoor』を名乗りますがこの名が後のミュージカルシーンにかかってきます。
ダンスの練習などで一緒に過ごすことになったTaaniとRajをよそに家で知らんぷりするSuri。もちろんRajとSuriは同一人物なのですがこの辺りのSRKの演技はやはり素晴らしい。
練習の買いもあってRajとTaaniのペアは最終決戦に出場できる10組に選ばれます。
そしてSuriはTaaniをデートに誘ってRajとして愛の告白を。。。しかしTaaniは自分結婚をしておりRajの愛にはこたえられないと。。。
Suriにしてみれば複雑な気持ちになりますね、RajとしてはショックですがSuriとしては少し安心するわけです。しかしこのままではいけないのでBobbyの進めもあり今度はSuriとしてTaaniの愛を勝ち取ろうとします。
ある日二人は見本市にでかけ、Suriはそこで行われている相撲大会で力士と戦います。勝って商品の日本旅行は手に入れますが力士を怒らせSuriは負傷。Taaniは自分の気をひくために危ない事はしないでほしい!と激怒することに。。。
その後二人は仲直りをしますが、TaaniのRajに対する気持ちを抑えきれません。映画を観ている最中にいなくなりRajに会いに行ってしまうのです。Suriは友人からTaaniがRajに会いに来ていることを聞きRajになりTaaniに会いに行きます。
Taaniは結婚しているのにRajに恋をしてしまいどうしていいのかわからないとRajに打ち明ける。。。
ここでRaj(Suri)は覚悟を決め、ダンスコンテスト決戦の日に駆け落ちしようと提案。
これは今後SuriはRajとして生きていこうという事を意味します。
当日の朝、二人はシク教の総本山Golden Templeへ行きSuriはTaaniの成功を祈ります。祈りの最中Taaniは突如心の中にSuriを感じ始めるのです。Suriの中に神を感じこの時初めてSuriの人間性を振り返ります。
そしてコンテストの前TaaniはRajに対して一緒には行けないことを伝えるのです。
ここでのRajの反応は意外と軽いのであまりシリアスにはならず。。
ここからはSuriの仕事、Rajを捨てSuriとしてのみTaaniと付き合わなくてはいけません。
ダンスコンテストの決戦が始まり二人の出番になりますがRajが姿を現しません。
Taaniはそのまま棄権しようとしたところにRajではなくSuriが登場。
驚くTaani!ここでようやくRajはSuriだったと気づくのです。
Taaniは驚いた状態で踊りますが、この時Suriの本当の愛を理解できそのままダンスをし続け二人は優勝!
優勝者のアナウンスでは司会者が『優勝はRaj & Taa !?』と言いかけたところをTaani
が遮り、、、『優勝はMr.&Ms. Surinder Sahni!』と言いなおします。
この辺りの流れですが、女房が実に不満であり、『こんな事されたら女性は怒るだろう!彼女はちょっと怒っただけで終わり?』まあ、本当なら怒るでしょうね。。
しかしこれは映画であり見ている方はこれで楽しんでいるのでいいのだよ。。。
Cast
Shah Rukh Khan as Surinder "Suri" Sahni & Raj Kapoor
流石King of Bollywood ! SuriとRajのダブルロールを高い演技力で表現していました。
Rajについては得意なキャラクターですが、対照的なSuriの表現が素晴らしい。
この作品をコメディ映画として作るのであればこの役はAkshay Kumarでもいいでしょうが、今回はSRKしかできなかったでしょう。
SRKのダブルロール
English Babu Desi Mem(1996)
これはダブルどころかトリプルロールでした。
Duplicate (1998)
題名とおりDuplicateを演じてます。
Paheli (2005)
これも変わったダブルロール、本人と本人をコピーした幽霊のダブルロール。
Don: The Chase Begins Again (2006)
オリジナルのDonを知っていると最後はびっくり仰天!
Ra.One (2011)
科学者とその科学者が作ったそっくりサイボーグのダブルロール。
FAN (2016)
一人のトップスターとそのFan
SRKは特殊メイクでスターそっくりのFanも演じました。
Karan Arjun (1995)とOm Shanti Om (2007)もダブルロールではありますが、どちらも前世と生まれ変わりを演じてますので同時期に二役は演じてません。
合計8作もあるのでかなり多いですね。
SRKはこの前年に『Om Shanti Om(2007)』に出演
この時につけたバキバキの6パックは今回Suriのような普通の人を演じるにはふさわしくないとの事で筋肉を落として撮影に臨んでます。
作品のキモはやはりSuriの演技ではないでしょうか?Rajについては前述しましたがSRKの得意分野であり他の役者でも務めることができるでしょう。Suriのような普通の人をRajのキャラクターと平行して演じ、同一人物だとわかっている見ている側にも全く別人のように感じさせてくれます。
『Punjab Power』という電力会社に勤める普通のサラリーマン。
顧客から電話がかかってくると
「Punjab Power, lighting up your life(あなたの人生を照らすパンジャブ パワー)」
と会社のマニュアル通り電話をとり、この普通さが面白かったりします。
コロナもあり映画への出演はZero(2018)以降ありません。
新作のアナウンスはRAWのエージェントを演じる【Pathan(2022)】がありますが予定通り公開されますかね?
敵役はJohn Abraham
Anushka Sharma as Taani Surinder Sahni
本作で女優デビュー 当時19歳
お父さんは軍人さんで以前ウッタラカンドのDehradunにいました。
彼女はウッタルプラデーシュ(UP)産まれですが幼少期にDehradunにも住んでいたそうです。どうも祖母がDehradunの方のようです。
彼女の名が聞かれた当時自分もガルワール(Dehradunはガルワール最大の都市)にいましたのでなんとなく親近感がありました。
ムンバイでのモデル時代に本作のオーディションを受け、約300人?の中からインド最大のプロダクション『Yash Raj Film』でKing Khanの相手役。
映画はスーパーヒットを飛ばし、その後も話題作に出演しFilmfare賞も受賞、そして2017年には現役No.1 batsmanでインドナショナルチームのキャプテンVirat Kohliと結婚!
とほぼパーフェクトなキャリアを送ってます。
本作では本当にプロレベルで演技のキャリアがないのか?と思わせる演技をしてました。しかし共演がSRKでラッキーでしたね。彼女の好演はSRKの演技あってのものだと思ってます。
Vinay Pathak as Balwinder "Bobby" Khosla
メインストリームの映画で重要な役を演じたのはこれが最初。
インドの大学卒業後、アメリカの大学で勉強してます。
インドに戻った1995年から演劇、TVなどで演技のキャリアをスタート。
初期の彼の作品はBombay Boys(1998)以外は全て見てますが全く記憶にありません。
Khosla Ka Ghosla(2006)で初めて彼の名前がインプットされましたがまだ印象は薄い。。。
彼のおもしろさはBheja Fly(2007)で爆発します。
ダンスシーンはなく、巨額な製作費もかけない、スーパースターの出演もなし。
映画の作りとしてはまるで演劇のようです。
この手の作風は個人的に『ラジャト・カプールもの』としておりVinay Pathakはそのレギュラー俳優。
独特のコメディセンスを持っており、その後の作品でも高い演技力と併せて評価を上げていきます。
本作でもぶっ飛んだ衣装をまといSuriのよき協力者を好演。
Music Scene
RNBDJの音楽は事前のプロモも手伝ってヒット曲が多いです。担当はSalim–Sulaimanでプレイバックシンガーはトップレベルがずらりと並ぶ。
Haule Haule
Sukhwinder兄貴が歌うこの曲でFilmfare Award for Best Male Playback Singerを受賞。兄貴にとって"Chaiyya Chaiyya"Dil Se..(1999)以来2度目の受賞。
Phir Milenge Chalte Chalte
映画中盤の見どころはこの曲。
1950年代から1980年代各ディケイドの名曲をカバー。
因みに自分が分かったのは最後の曲だけでした。。
シンガーはレジェンドSonu Nigam
Tujh Mein Rab Dikhta Hai
作中数パターンありますが、やはり二人がバイクでデートをし最後にRajの告白につながるこのバージョンがいい
Location
わかりやすいのはGolden Temple。
TaaniがSuriの中に神をみる場所。Golden Templeのこの使い方はパンジャーブ映画あるあるでしょう。
覚えている中で3度ありました。下半身不随になった主人公がGolden Templeの堀でお祈りしたら立てるようになってハッピーエンドになるなどよくあります。
Tujh me rab dikta haiの曲中に二人がバイクを走らせる湖はPuneのPimpalgaon Joga Damですね。
SuriとTaaniが生活する市街地は恐らくほぼセットだと思われます。
まとめ
かなり久しぶりにみましたが、オチがわかっていても今だに楽しめる作品です。
キャスティングは素晴らしく、何といってもSRKの演技はキャリアベストに近いでしょう。FlmfareをとってほしかったですがJodhaa AkbarのHrithikに持っていかれてしまいました。
Anushka SharmaはRNBDJでのTaaniを見てその後の作品を期待した方は多いでしょうね。