Taste of Achar

ボリウッド映画とインド生活時の忘備録。。。

ボリウッドの連続キス魔 Emraan Hashmi(イムラン・ハシュミ)

Bollywood Star file.11

Emraan Hashmi

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1979年生まれで現在42歳

前回のBipasha Basuと同じ歳です。

achar.pssamphran.com

独特の演技スタイルを持っておりキャリア初期から『Serial Kisser of Bollywood(ボリウッド連続キス魔)』として数々の新人女優の唇を奪ってきました。

キスシーンのある映画の出演作は20作もあるそうなので断トツ1位じゃないかな?

流石に最近は減ってきており元々持っていた確かな演技力で出演してます。

経歴

1979年イスラム教徒の両親の元にボンベイで産まれます。

母は普通の主婦ですが、父は映画の出演歴があります。一作だけの出演のようですが、出演した作品がまた凄い!

Baharon Ki Manzil (1968) なんと出演はMeena KumariDharmendra

後ででてきますが恐らく祖母の女優Purnimaの影響による出演でしょう。

祖母のPurnimaはMahesh and Mukesh Bhattの叔母にあたるのでEmraanも必然的に映画カーストとなり後々映画出演するようになるのも普通の流れですね。。

 

それでもEmraanは大学を卒業するまでムンバイに住みほぼ普通の生活を送っていたようです。

映画界デヴュー

叔父Mukesh Bhattプロデュース、はとこ?のVikram Bhatt監督のRaaz (2002)助監督として映画界デビュー。

そして翌年同じVikram Bhatt監督作Footpath (2003)で俳優としもデヴューします。

どうしようもない作品の中、脇役を演じたEmraan Hashmiの演技はなかなか評価が高かったんです。

映画界に入ってきたのは決して早くはないですが、Bhuttファミリーの中で幼少期から現場にも触れてきたでしょうから潜在能力は高かったんでしょうね。

Bhutt Family

インド映画界には映画カーストが存在しており、いくつかの巨大ファミリーがいます。

その中でも特大ファミリーの一つがBhutt Family

個人的にはBhuttものの映画はバッタもの臭ががありあまり好きではなかったのですが、いろいろ見ていくと少しは楽しめる作品があると知りました。

 

このファミリーを巨大にしてしまった要因1は初代Nanabhai Bhatt(映画監督)、Mukesh・Maheshを含む9人の子供を作ります。

要因2 2ndジェネレーションのMahesh Bhatt(映画監督)、3人の奥さんから4人の子供を作ります。

子供達の何人かが映画界に携わり枝分かれになるので巨大なファミリーが出来上がるのです。

そんなBhuttファミリーですが、Emraanは直系から少し外れた位置。

両親はほとんど映画に関わっておらず、唯一祖母が映画界で活躍しました。この方がBhuttファミリーたる所以は初代Nanabhai Bhattの奥さんShirin Mohammad Aliの妹にあたるからですね。そこから考えるとEmraanは3rdジェネレーションにあたりますね。

年齢にバラつきはありますが、Alia Bhatt、Pooja Bhatt、Dharmesh Darshan、Suneel Darshanなんかが同じ世代になります。

もちろん現在のトップはAlia Bhatt

連続キス魔、本領発揮!

デヴュー作はサポートキャストとしてまずまずの演技。

2作目からは主演級を演じ、いきなりディープキスシーンが入ってきますが、ここからEmraanの連続キス魔のヒストリーがスタート

デヴュー2作目

Murder(2004)

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因みにバンコクでの撮影もあり、当時はまだタイに住んでいなかったのでタイ撮影についてはたいして気にしていなかったと思われる。。。

メインの俳優の演技もよく、ストーリーも悪くなく楽しめる映画ですがやはりEmraanとMallika Sherawatのラブシーンが目玉の一つ。ついに女優としては大成することはありませんでしたが、セクシーシンボルとしてはデビュー当時から十分な魅力がありましたね。

その後の出演作でも片っ端からキスシーンがあり、しかも全てBhutt familyによる映画。ストーリーもメインストリームを走るような映画ではなく、ミステリー・スリラー・サイコ・クライムといったジャンル。そしてEmraan以外のキャストに大物はおらず女優さんはほぼ新人!と同じようなコンセプト。

この間キス魔の被害にあった若き美人女優達。。。

Mallika Sherawat / Murder(2004)

Dia Mirza / Tumsa Nahin Dekha(2004)

Udita Goswami / Zeher(2005)

Dia MirzaについてはTehzeeb(2002)でちょっと気に入っていた女優だったので『Emraanの野郎!何をしやがんだ!』と嫉妬の嵐にかられたもんです。

Udita Goswamiは後に監督のMohit Suri(Emraanの従兄弟)と結婚しBhutt Family入りしてます。

この辺まではEmraanのことはただの二流どころとさほど意識してませんでしたが、2005年公開のある作品でボリウッド映画界にEmraanモノを認知させます。

Aashiq Banaya Aapne(2005)

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共演はSonu Sood、そして今回Emraanに唇を奪われる新人女優はTanushree Dutta

映画の内容はなかなかショーもないストーリーであり音楽がなければ全く気にする必要のない映画。

ただしこの映画のサントラは無視できない!

Himesh Reshammiyaが手掛けるサントラがスーパーヒット。彼自身が歌っている曲もあり独特の鼻にかかったボーカルが印象付けます。

すでに音楽プロデューサーは超一流に指一本かけてましたが、プレイバックシンガーとしてFilmfare Awards For Best Male Playback Singerを受賞!

この辺りからでしょうか?個人的にEmraanモノ映画の定義は

  • Bhuttファミリーが関わる
  • 殺人・ミステリー
  • どんでん返し
  • キス
  • Himesh Reshammiya

がセットになった映画の事を言うようになります。

 

演技力が評価され全盛期へ

彼の演技力はよくわからないところがあり、なかなか評価が難しく嫌いな人もいたようです。個人的にはあの独特の雰囲気・よくわからない自信・いい意味でかなりダサい!などがハマっておりけっこう好きな俳優でした。

しかし作品にもよりますが徐々に演技評価を得ていきます。

作品自体怪しい雰囲気を放つKalyug(2005)では、最も怪しい役を抜群の存在感で演じます。

そして2006年得意のEmraanモノで遂にFilmfare Award For Best Actor In A Negative Roleにノミネート⇓

Gangster(2006)

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その後、大女優として成長していくKangana Ranautの唇もきっちり奪います。

Emraanの出演作としては過去ベストでしょう。

基本的には純粋なEmraanモノですが、Kangana RanautShiney Ahujaの二人は初めてEmraanと存在感が同じレベルで演技をします。

しかも前作Aksarに続いてEmraanは最後に死んで終演、今までならどんでん返しで実は死んでいなかった!とか言ってどんでん返しをかますのですが今回は本当に死にます。

 

この辺りから実力のある俳優との共演もするようになり少しづつ演技の幅を変えていきます。

 

たまにおかしな映画を挟みますが、Emraanの演技力の向上・共演者レベルアップなどと共にEmraanモノの作品もグレードアップしていきます。

特にAwarapan(2007),Jannat(2008)は素晴らしい!

そして2009年にはRaaz - The Mystery ContinuesでKangana Ranautと共演。考えてみればKangana RanautはEmraanモノ出身女優で唯一大成した女優さんかもしれませんね。

 

メインストリームへ参入!

ほぼBhuttモノ一本でキャリアを過ごしてきましたが、Once Upon a Time in Mumbaai(2010)でメジャー映画にも参入。主演はAjay DevgnでKangana Ranautとは再々共演。映画はHitを飛ばしEmraanもFilmfare Award For Best Supporting Actorにノミネート。

その後もThe Dirty Picture(2011)、Shanghai(2012)、Ungli(2014)、Baadshaho(2017)など個性的な作品で大物俳優と共演。

Emraanの偉いところはそんな中でも年に1~2本はしっかりBhuttファミリーの作品し出演しきっちりEmraanモノを作り上げてます。

 

最近のEmraan Hashmiは?

未見で気になる作品が多いのですがなかなか見る機会がありません。

最後にEmraan出演作をみたのはGhanchakkar(2013)になるので約8年間・15作品見逃してます。

Emraan Hashmiを観るなら この作品!

Emraan Hashmiを観るなら初期のころから出演を続けているEmraanモノを見なければなりません。作品のいくつかはショーもない駄作ですが彼を知るにはそこにも触れる必要がありますね。本当はかなりステップを踏んでいかなくてはなりませんが、なんとか絞り込んで5作にまとめてみました。

Aashiq Banaya Aapne(2005)

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すでに紹介済。いわゆる駄作ですがEmraanモノでは無視できない作品。

Kalyug(2005)

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映画の内容は目新しいものではないがとりあえず飽きさせないので最後まで見れます。Emraanは一応サポートキャスではあったものの完全に存在感で他のキャストを超えてました。

因みに主演は子役出身で成人デビュー第一弾を本作で飾ったKunal Khemu

子役時代の代表作はもちろんこの作品。

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Jannat(2008)

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Emraanモノでは最高傑作かも?

デビュー以降ひたすら一族の一人としてBhuttファミリーに付き合ってきましたがようやく素晴らしい作品ができあがります。相手役の新人Sonal Chauhanは今までのEmraanモノに出演していた新人女優よりは演技を頑張っており、元ミス・インディア候補だったのでルックスも抜群!

この時の感想、『Emraanモノってヒットするんだ!?』

Once Upon a Time in Mumbaai(2010)

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この後何度も共演することになるAjay Devgn主演。そしてまたまたKanganaとも共演。

100%メインストリームに乗った映画でありEmraanもバチッとハマってました。

 

The Dirty Picture(2011)

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Once Upon a Time in Mumbaaiと同様に実在の人物をモデルとした作品で監督も同じくMilan Luthria

Vidya Balanの映画なのでEmraanにたいした見せ場ないが一応いままでのEmraanものとは違い大物女優(Vidya Balan)のキスシーンがある。

 

Emraan's Dance Scene

たいしてうまくもないダンスをキレよく踊り、背があまり高く無い割に顔がデカいので真面目に踊っていてもどこか間が抜けているのがEmraanスタイル。しかし本来の作品以上にHimesh Reshammiyaのプロデュースする音楽は大ヒットしEmraanのダンスもすばらしいのではないかと錯覚してしまいます。

 

Title Song(Aashiq Banaya Aapne/2005)

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とにかくそこらじゅうで耳にした曲。ノリのいい曲ではないですがどよーんとした雰囲気にヒメーシュの鼻づまり声が合ってます。

 

Mar Jaawan Mit Jaawan(Aashiq Banaya Aapne/2005)

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これぞEmraan Danceと言える曲。その後数年のダンスシーンはほぼ同じような動きしてます。それでも曲とEmraanの雰囲気、ダンススキルが見事にマッチしており優れたダンスシーンだと思います。

 

Woh Ajnabee(The Train/2007)

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この作品にはヒメーシュは関わっておらず音楽担当はMithoon。

映画も音楽もまるで売れませんでしたが、この曲でのEmraanは時折カメラ目線を挟みながらノリノリ。

 

日本で公開された唯一の作品

Tigers(2014) / 汚れたミルク:あるセールスマンの告発

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なんと主演!

監督はDanis Tanović(ノー・マンズ・ランドのTシャツはいまでも持ってます)

何故Emraanが配役されたのかわかりませんが、プロデューサーにGuneet Monga(Once Upon a Time in Mumbaaiをプロデュース)、Anurag Kashyapがいるのでその辺の絡みでしょう。

作品を観れていないのでごちゃごちゃ書けませんが、ある企業に対して起こした訴訟問題を実話にしたので公開まで12年もかかったそうです。なんかいろいろあるみたいです、実際の名前を使えないとか?企業に訴訟を起こされた場合どのようにするとか?を解決してからでないと公開に踏み切れなかったらしいです。

監督のDanis TanovićがEmraanの演技をかなり評価していたので見なくてはいけませんね。

因みに公式のHPが残っていたので見てみましたが、Emraanの紹介記事は間違いだらけ!

アヤン役/イムラン・ハシュミEmraan Hashmi1979年3月24日インド・ムンバイ生まれ。
03年に「Footpath」で映画デビュー。以後ロマンティック・スリラー「Murder」(04)、「Aashiq Banaya Aapne」(05)、「Gangster」(06)、「The DirtyPicture」(11)、「Ghanchakkar」(13)、「Raja Natwalal」(14)をはじめとした*130作以上のヒット作に出演。力強い演技で称賛を集め、「Murder 2」(11)でスターダスト賞最優秀男優賞と、アプサラフィルム&テレビジョン賞最優秀男優賞を受賞。インドの映画雑誌「フィルムフェア」が主催する*2フィルムフェア賞では出演作の「Gangster」(06)、「Once Upon a Time in Mumbaai」(10)、「Shanghai」(12)の3度で受賞をはたす。インド、パキスタン両国に多数のファンを持ち、ファンの間では愛情を込めて*3「ヒットマン・ハシュミ」と呼ばれているほど、いまボリウッド映画界で最も人気で高額なスター俳優の一人となっている。本作が、非ボリウッド初出演作となる。

まとめ

ここ数年全く彼の作品を観れてませんが、すでに脱Bhuttファミリーをしており作戦の幅が広がってます。Bhuttモノはいわゆる『火曜サスペンス』的なストーリーでありとっても懐の浅い作品が多いです。ここ7~8年の作品で興味のある作品が何本かあるので都合付けてみておきたいところです。

また、次回作もアナウンスされておりなんとSalmaan Khanと大ヒット作のシリーズ第三弾『Tiger 3』にエージェント役で出演!これは公開されれば放っておいても目に付くので公開を待ちましょう!

 

以上、ボリウッドの連続キス魔 Emraan Hashmi でした。

 

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*1:そんなにヒット作ありません!

*2:ノミネートの間違い!受賞歴はなし

*3:これは知らなかった!serial kisserが最も有名なニックネームだと思いますが。。