Taste of Achar

ボリウッド映画とインド生活時の忘備録。。。

-Bachchhan Paandey / बच्चन पांडे (2022)-

Bollywood No.036

Bachchhan Paandey  (2022)

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コロナウィルス発生後、劇場で映画閉鎖などもありなかなか映画を見に行くことができませんでした。

今年の1月にタイ映画保存センターの特別上映で1作見ましたが、一般的な劇場で見るのはなんと2年半振り!

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コロナ前最後に見た映画、2年半とは実に長かった。。。

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そろそろ頃合いと思い、スケジュールを確認したところなかなか大きい作品が公開予定となっていたので都合をつけて公開最初の週に行ってきました!

 

テキトーに解説

タミール映画Jigarthand(2014)のリメイクとのことですが、そもそもの原型は韓国映画A Dirty Carnival(2006)からインスパイアされているようです。

A Dirty Carnivalは未見ですが、さっと調べたところある小さいギャングファミリーを中心としたシリアスなドラマになっているようです。

当然本作はシリアスにはなりません!コメディ要素にロマンスが入ってくる娯楽性の高い作品に。

 

2021年7月に撮影を終えクリスマス週の公開を予定してましたがクリスマス週はそもそもAamir Khan作品の指定席であり2020年公開予定だったLaal Singh Chaddhaがスライドしてきてました。

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そこでAamir(主演兼プロデューサー)はクリスマスでのかち合いを避けるため本作の制作サイドに公開をずらしてもらえないか?とオファーを出します。

Bachchhanサイドはそれを了承して公開をずらしますが、ここでコロナパンデミックが邪魔をします。

ここからはこの2作に限らずもう公開スケジュールは滅茶苦茶!

さほど大きな作品でなければオンライン映画にシフトしますが、この2作のような大作はふさわしい時期の公開を待ちます。

コロナが治まったわけではないですが、ワクチンの接種率などにより各国が通常の生活に戻しつつある中ようやく公開日をフィックス。

結果

Bachchhan Paandeyはホーリー週公開!

Laal Singh Chaddhaは独立記念日公開!

 

A Dirty CarnivalもJigarthandaも見ていないので比べられませんが、残忍なギャングを中心にストーリーが出来上がっており、笑いとロマンスがあってなかなか楽しめる作品。

 

Mrya(Kriti Sanon)はムンバイに住む新鋭の映画監督、大きな成功を夢見て友人のVishu(Arshad Warsi) と共にBachchhan Paandey(Akshay Kumar)を主演とした映画をとりにラジャスターンの田舎町に向かいます。

当初、本来の目的を伝えずにBachchhanファミリーに接触しますが、ふとしたことから二人がBachchhanの事を調べていることがばれてしまう。しかたなく二人は本来の目的をファミリーに打ち明けるのですが全員映画出演のチャンスにニンマリ。リアリティのある作品にしたかったMryaですが、Bachchhanをはじめ皆カメラを前にすると演技への意識が強くB級コメディ路線へ。。。

実際残忍なギャング一家のシリアスな作品には到底なりませんでしたが、ファミリーはみなマフィアっぽいゴッドファーザーのような作品になると思って撮影を終了、満を持した公開ではBachchhanをさらにお笑いにするような作品に編集がされてました。

最初は怒り狂うファミリーでしたが、映画を見た観客がBachchhanに対して今までのような恐怖ではなく気軽に声を掛けてきたり、子供が手をつないでくるなど親しみやすい存在に変わったことに心を打たれるのです。

極めつけは10年Bachchhanにたいして口を開かなかった母(Seema Biswas)が彼を呼び寄せ、映画がとても楽しかったことを伝え涙しながらBachchhanを抱きしめます。

これによってBachchhanはこの映画『B.P』が間違った方向の映画ではなく、人々が自分の評価を変える映画だと気づくのです。

 

Mryaの編集によりコメディ映画となった『B.P』ですが、そこに人々がBachchhanの印象を変えるという意図があったのか?がよくわかりませんでした。

自分の理解不足?もしくはKriti Sanonの演技力なのかわかりませんが。。。。

 

あと一つ面白いところで、

ギャング一味が「いったいどんな映画を作る気なのだ!?」と問いかけてきたときに

Vishuhaは最初『スカーフェイスやゴッドファーザーのような映画を作りたい!』とリアリスティックなマフィアものと説明しますが一味には解らない。。。。

そこですぐに『SarkarやGangs of Wasseypurのような映画だ!』と言い直すと

「お~」と大歓声!自分たちがManoj BajpayeeやKay Kay Menonになると思ってるんですね。

こういった部分が新たにボリウッド映画を見るのに難しいところ。。。

この場合スカーフェイス、ゴッドファーザーが最初に出てきたからまだわかりますが、いきなりSarkar、Gangs of Wasseypurと言われてもなんのことかわかりません。この手のことはボリウッド映画内でしょっちゅう起こることなので理解がしきれない部分ではあります。

Cast 

Akshay Kumar as Bachchhan Paandey

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ここ数年の出演作はトップ俳優としては群を抜いて多いですが、意外にも全く見てませんでした。

過去に数十本彼の作品を見てますがブログ内での紹介は一作のみ。

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この手の役柄は数多く演じてますが、今回は少しシリアスな役。

お得意のパターンはギャングのボスとしてバイオレンスな面を持ちつつもおバカなコメディを見せてくれますが、おバカなところは今回曲者がそろった子分の役割でした。

Toilet: Ek Prem Katha(2017),Pad Man(2018)のように演技力を見せつける役ではなかったですが、アクション全開とも違い、ところどころに細かい演技力を出してます。

しかし彼の実力からするとアベレージレベルといったところか。。。

2022年はすでに撮影終了している作品が4作もありどのようなペースで公開していくのかわかりませんが、次回作以降に期待ですね。

 

Kriti Sanon as Myra Devekar

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恐らく彼女の出演作を観るのはDilwale(2015)以来通算2本目。

この間の7年で知名度も広がりトップの一歩下の女優さんまで登ってきました。

DiwaleではVarun Dawanのお飾りガールフレンドくらいであまり印象にありませんでしたが、現在31歳になり見た目も大人っぽく作品内での存在感も出てきました。

このKriti Sanonですが、確かに女優として成長し間違いなく美人ですが、まだDeepika Padukoneのダウングレード女優といった印象を受けました。似たような役柄を演じているようですが表現力がDeepikaとはまだまだ差があります。

年齢的にもこの辺がピークで伸びていくイメージはありませんが、もうすこし過去の作品もみてみたい女優さんではあります。

Bareilly Ki Barfi(2017)

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必ず見ておかなくてはいけない作品。

 

Mimi(2021)

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これなんかも見ておきたい。

 

Arshad Warsi as Vishu

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全開とまではいきませんが、Arshad節がよく出ている演技でした。

彼の笑いは独特のコメディセンスによるもの、セリフ回しで笑わせる印象が強いですが演技も実に面白い。。。

詳しくはコチラで👇

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Jacqueline Fernandez as Sophie

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回想シーンの特別主演といった出演。

Kritiがゴージャス感を抑えた役でしたが、こちらはゴージャス全開!!

スリランカ人でありながら出演料はすでにボリウッドトップクラス、短時間での出演でも十分な存在感がありました。

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Other cast

今回の爆笑コメディシーンはこの曲者ぞろいのわき役陣にあります。

Bachchhanの子分たちは残忍さがありますが、面白可笑しく情にアツい連中。

Sanjay Mishraについては名前を見ただけでどのようなことをするのか想像ができます。

このコメディメンバーで秀逸だったのがPankaj Tripathi

Bachchhanを含むギャングメンバーに演技指導をする先生役、大物ギャングに対して指導とはいえ何度もBachchanをコケにしたような扱いをし、唾を吐きかけるなど完全に生徒として見下します。最後は痛い目を見ることにもなりますが全く改まることはありません。

彼はちょっと怖い役かお笑いの2択俳優ですが、今回はお笑い系の役ではまってましたね。

 

そして最後にBachchanとは10年口をきいていない母親役のSeema Biswas

個人的には今まで見てきたインドの女優で10本の指に入る女優さんと思ってますが、わざわざあの役を彼女に演じさせる必要があったのか?と疑問。プロデューサーや監督などとのつながりがあってのキャスティングかもしれませんがちょっと残念な起用でしたね。

Music Scene

印象に残るような音楽がありませんでした。

しいて言えばロマンティックソングのこの曲か?

Mri Jaan Meri Jaan


www.youtube.com

Akshay Kumarは相変わらず父と娘ほど年の離れた女性とロマンスをしてますが、妻Twinkle Khannaの逆鱗(すでに何度も触れているはだけど)に触れないのか?

Location

Mumbai、Jaisalmer、Thaneが主な撮影地

特にMumbaiでは撮影度に200人のエキストラの検査などCovid-19問題に苦労したそうです。

Nachna Haveli(Jaisalmer)

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Bachchhanファミリーの拠点の撮影に使われたようです。

まとめ 

公開初日の興行成績はまずまずといったところ、しかしコロナ開け2か月目といったこともあるので少し割り増してみた方がいいでしょう。個人的には爆笑シーンもあり各俳優の演技も悪くなかったですが、通常きならスーパーヒットするような作品には思えません。

この手のAkshay Kumar作品に目新しいものを期待するのは野暮ですが、アクション・ロマンス・コメディが均等に盛り込まれているのでインパクトがない作品でした。

どのジャンルも中途半端な感じの印象。。。

このキャストでとるなら今までと似たような作品にはなりますが、コメディに寄せた方が面白かったような気がします。

 

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