Bollywood No.020
-Bharat/भारत (2019)-
16JUN'2019
-ICON CINECONICにて鑑賞-
2019年のEIDもSalman Khanです。
EID映画を劇場鑑賞するのは我が家の恒例。
今年で7年連続。
Chennai Express(2013)
Kick(2014)
Bajrangi Bhaijaan(2015)
Sultan(2016)
Tubelight (2017)
Race3(2018)
2013年のChennai Express以外は全てSalman主演
しかし現在のところ本作が最後のEid映画になります。
まさかこの時、新型ウィルスで2続けてEidに映画が見れなくなるとは思いもよりませんでした。
テキトーに解説
ストーリーは1947年印パ分離から始まります。。。
インド史に興味がある方であれば、まずはこの印パ分離から入るでしょう。
映画のロケーションとなるパンジャーブは独立時ラドクリフラインが引かれた地です。
ラドクリフライン---印パ分離の国境線、このラドクリフラインは独立当日まで公表されなかったため大混乱をまねいたそうです。独立当日、ムスリムはパキスタンへ、ヒンドゥーはインドへと移動をしますが、すでに宗教問題が爆発しておりお互いに異教徒を生きて帰すな!と大虐殺が行われました。詳しくは印パ分離を調べればいろいろ出てくるはずです。
主人公のBharatは家族と共に現パキスタン(Laholeだったかな?)で暮らしています。
冒頭でBharatは学校で先生達の話しを盗み聞きし、印パ独立を迎え国境周辺が大混乱していることを知ります。
Bharatは家に帰り鉄道員をしている父Gautam(Jackie Shroff)にその事を伝えますが、
父は笑ってそんなことはない、国境駅はいたって平和だよ!とBharatをたしなめます。
そこへ駅に1本の電話が、、、父の顔色が変わり汽車が駅に到着。。。。
汽車はほぼ満席で埋まっていたと考えられますが、生存者はいません。。
全員国境通過前にヒンドゥー教徒に虐殺をされていたのです。
その光景を見て父はBharatの話が真実だと知ります。
インド人であるBharat一家は急いでインド行の汽車に乗り込もうとしますが、すでに駅はカオス。
アクシデントが重なり最終的にインドに避難できたのはBharat,と母(Sonali Kulkarni),弟,妹の4人。
父と妹のGudiya は汽車に乗れませんでした。。
別れ際に父はBharatにデリーの姉の店で待つよう、そして必ず家族一緒に暮らすように伝えます。。
が、父にはパキスタンの暴動がすぐそこまで来てました。。。
実際の光景(1947)
これが悪名高き【避難/殺戮列車】で本作でも悲惨な描き方をしてました。
この場面を描いた作品としては Gadar(2001)が有名
Gadar(2001)
Gadarでは無敵のSunny Deolがヒロインを救出しましたが、
今回その立場になるBharatはまだ子供、父はただの鉄道員でそのような力は持っておりません。
こちらの小説も参考になります。
Midnight's Children/Salman Rushdie
奇しくも作者のサルマン・ラシュディ氏は1947年分離独立の2か月前ににインドで産まれています。
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- 作者: サルマン・ラシュディ,Salman Rushdie,寺門泰彦
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Midnight's Children(2012)
こちらは映画の方
Deepa Mehtaによって映画化されました。
デリーに到着したBharat一家は叔母の店に世話になり、Bharatは家族を支える為あらゆることをします。
そして17年後の1964年青年となったBharat(Salman Khan)はサーカスのスターとして家族を支えていました。サーカスではRadha(Disha Patani)と恋仲にもなりましたが、弟の事故を機にサーカスを去ります。
1970年代
さらに金を稼ぐべく石油の発掘作業員の面接に向かいます。
面接時、チーフエンジニアのKumud(Katrina Kaif)に名前を聞かれた再、
「Bharat」と返答。
苗字を聞かれたところでこの映画の名言が飛び出します。
Bharatという名前がインド人であることを表している、この名前があるだけで充分だと、幼いころ父に言われている。
因みに父の苗字はKumarです。この名からヒンドゥー教徒であることもわかります。
Bharat---インド人によるインドの呼称。インド人がBharatと名乗る事でインドを意味する。
いろいろすったもんだありBharatはKumudど共にサウジアラビアの石油掘削に向かいます。。。
当然、当地でBharatとKumudは恋に落ちるのですが、BharatはKumudの求婚を拒否。。
その理由とは、、、
この辺がちょっとわからなかったのですが、結婚によって父との約束(家族が一緒にいること)が守れなくなるみたいな感じでした。
そしてVISAの期限切れ、妹の結婚式を機にBharatはインドへ戻ります。
妹の結婚式に参加していたBharatをKumudが突然訪れます。
Kumudは結婚はしないでかまわないので二人の関係を続けていこうと決心してきたのです。。。
そしてKumudが新しく就いた仕事をきっかけにBharatによるパキスタンに残していった父と妹探しが始まるのです。。。
ここから先は涙なしで見られません。。。。。
不覚にも終盤は感極まってしまいました。
隣に居たインド人夫婦も奥さんは平気な顔してましたが、旦那さんは号泣!
この映画は男性の方がグッとくるんですかね。。
Cast
Salman Khan as Barat
最近のSalmanモノに近い役でした。
Bajrangi Bhaijaan(2015)
同じくパキスタンとの国境モノ
この作品でも劇場で涙腺を緩ましてしまったんです。。。
Tubelight(2017)
こちらは中国国境モノ
流石にKatrinaとの相性はいいですね。
次回作は年末の【Dabangg3】
監督がPrabhu Devaになるのでダンスシーンがとうなるのか見ものです。
Katrina Kaif as Kumud Raina
いや~今回は良かったんじゃないですか?
個人的に彼女の演技やダンスの評価は低いんですが、今作は良かったと思います。
Salmanと違い出ずっぱりではなかったですが、キャリアベストに近いと思います。
今年はこれ1本だけ次回作は
Rohit Shetty監督/Akshay Kumar共演のSooryavanshi。
Rohit ShettyにAkshay Kumarですからド派手アクション+コメディみたいな感じかな?
Salman同様Filmfare Awardにはあまり縁がありません、ノミネート3回で意外にも受賞歴はありません!
おススメ3本!
前述の通り演技の評価は低いのでKatrinaが出演している中でって事ね。
Jab Tak Hai Jaan(2012)
Yash Chopra最後の監督作。
ひじょうに美しい映画ですが、Katrinaのダンスはなかなか酷い。。。
演技が悪くはなかったですが、SRKとAnushka Sharmaが上を言ってました。
当時劇場に3回通ってしまいました。。。
Zindagi Na Milegi Dobara(2011)
出番は多くなかったですが、この映画のKatrinaは本当に美しい。。。
インドではあまりないロードムービー。
男性陣3人の演技がすばらしく、作品もよくできています。
Mere Brother Ki Dulhan(2011)
HITはしませんでしたが個人的に好きなので。。。
オープニングでImran Khanが珍しくノリノリで踊ってます。
Mere Brother Ki Dulhan - Full Title Song | Imran Khan | Katrina Kaif | Ali Zafar | KK
半分おバカ映画ですが、なかなか楽しめます。
Ali Zafar(パキスタン俳優)のおバカ度は必見!
印パ問題で2016年以降出演できてません。。。
Jackie Shroff as Gautam Kuma
序盤と終盤にちょろっと出ただけですが雰囲気は抜群に良かったです。
90年代~2000年代初めのトップスター
今は息子のTigerが活躍してます。
Sunil Grover as Vilayti Khan
本作のベストはこの人です。
本職はコメディアンですのではまり役ではありますが。。。
その他、Tabu , Sonali Kulkarniの一世代前の美人女優を登場します。
Music Scene
特に印象に残る曲はなかったんですが、しいて言えば。。。
Full Video: Aithey Aa | Bharat | Salman Khan,Katrina Kaif |Vishal & Shekhar ft. Akasa, Neeti, Kamaal
Katrinaにはこんな感じで踊らせてあげたいですね。。
もうおかしなヒップホップ風の振り付けはやめてあげてください!
Location
アブダビ、スペイン、マルタ、パンジャブ、デリーですが、最後にBharat一家がたどり着くAttari(パンジャーブ州)が印象的です。
Samjhauta Express(印パ友好列車)のインド側の最終駅。ここから先は両国の情勢次第でオープン/クローズを繰り返してます。
まとめ
本作はOde to My Father (2014)という韓国映画のオフィシャルリメイク作。
オリジナルは未見ですので機会があれば見てみたいですね。
元々ヒロインはPriyanka Chopraでしたが、Nick Jonesとの婚約準備の為降板してます。
撮影前のキャンセルですからギリギリOKですかね。
EIDのSalmanモノに基本外れはないですが、昨年ズッコケた分今年は気合いれてきました。ストーリー等とても興味深いテーマですのでチャンスがあれば是非見ていただきたい! 印パ分離の歴史を少し知っておくとより楽しめます、というか泣けます。。。