Bollywood No.047
Animal (2023)
公開から一週間遅れて観に行ってきました。
Barfi!(2012)以降のRanbir Kapoorの演技があまり好きではなく出演作を絞ってみてきてました。今回も大作ではありますがスキップする予定で年内の劇場鑑賞はクリスマス公開SRK主演DUNKI(2023)でフィニッシュかな~なんて気でいました。。。
ところが、ふと見かけたオフィシャルの予告編。。。
Bobby Deolがよさそうだ!
これは見に行かないときっと後悔するということで行ってきました。
テキトーに解説
序盤は時系列が行ったり来たりしますが、しっかり見てれば混乱することはありません。
老いたVijay Singh(Ranbir Kapoor)は父親への愛着が病的に強い子供でした。しかし父のBalbir Singh(Anil Kapoor)は仕事の忙しさによってVijaの望むような相手はできなかった。
そのような環境で成長していったVijayの回想から始まります。
Balbirの愛着が不足していたことが原因なのか?かなりぶっ飛んだ学生生活をおくるVijay。姉が学校でイジメを受けていることがわかると教室に乗り込んで機関銃をぶっ放したり、なかなか偏った思想を持つようになります。Balbirは懸念してVijayをアメリカに送ります。数年後アメリカから帰国したVijayは友人の妹の結婚式に行った際に彼女を誘惑し結果的に結婚してします。
再度アメリカにわたって二児の父となったVijayはBalbirがヒットマンに撃たれたことを知り8年ぶりにDelhiに戻ります。
Balbirは一命をとりとめましたが、Vijayは必ず犯人を殺すと宣言!
まずVijayは故郷のパンジャーブに向かい大叔父のDalbir(Prem Chopra)に会い、親族の手を借りる手はずを整えます。
その後ある程度犯人に目星をつけたVijay、会社の顧問で信用のできるMishra叔父(Shakti Kapoor)の協力を得て犯人特定します。
なんと犯人は姉の旦那であるVarunだったのです。
Varunはただのビジネスマンなので殺すのはたやすいですが、今回の実行犯は別にいました。
Asrar率いる殺し屋集団。
AsrarはVijayを始末するべくVijayが商談で訪れているホテルへ200人の部隊で襲撃をかけますが、Vijayがここであっているのは武器商人のFreddy、、、彼は100%Made in IndiaのガトリングガンをVijayに売りつけておりガトリングガンを使って敵を一網打尽にします。
最後にAsrarも倒しますがVijayも大けがを負い意識を失います。。。
2週間後、意識を取り戻したVijayは心不全を患っておりその後心臓も移植。。
回復し始めたVijayに心臓移植のドナーの婚約者Zoya(Tripti Dimri )が姿を現します。
妻のGeetanjali(Rashmika Mandanna)とも言い争いが絶えないなかVijayはZoyaとの距離を縮めてしまい二人は恋に落ちます。本気でVijayに恋をしてしまったZoyaは自分が何のために近づいたのかをVijayに打ち明けてしまいます。
ZoyaはスコットランドにいるAbrar(Bobby Deol)が仕掛けたハニートラップだったのです。
AbrarはVijay達に殺されたAsrarの弟でVijayに復讐をするためにZoyaを送り込んでいたのです。なぜAsrar達がVijayやBalbirにそこまで固執するのか?
その理由はVijayの祖父の時代までさかのぼります。
実はVijayとAbrarは親戚同士、Vijayの祖父達(恐らくDalbirとDadamal/suresh oberoi)とAbrarの祖父Shamsherは兄弟同士でしたがShamsherは家業の中で不正を行ったため家族から追放されました、その後Shamsherの子AzimがBalbirの前に現れ財産の分け前をもらいに来るのですがBalbirは拒否。その報復としてAzimは子供たちの前で自身の体を焼いて自殺します。それをみたAbrarは口がきけなくなり現在に至ります。
これらの一件によりAzimの息子たち(4人?)はBalbirへの復讐に燃えているのです。
それらを知ったVijayは先手をとりスコットランドのAbrarのアジトへ襲撃をかけます。
手下をやられたAbrarとAbid(Saurabh Sachdeva)はプライベートジェットで国外へ脱出を画策するもVijay達に離陸を阻止される。。
ここからがこの映画のハイライト!
兄弟であり男同士の最後戦いをするためVijayとAbrarは手下の銃を引っ込めさせ拳のみで戦います。
個人的にはこの作品の魅力の50%がここに集約されていると思います。
ただの殴りあいの中にコミカル、兄弟愛、家族愛、バイオレンスがはいる約10分のシーン。
最後にAbrarの喉を切るシーンはちょっとやりすぎ感はありますが、素晴らしいシーン。
格闘シーンにもかかわらず涙してしまいました。。。
Abrarを倒したVijayはBalbirとのわだかまりを清算しこの物語は終わります。
妻のGeetanjaliがVijayと離婚し子供とアメリカへ飛びたとうとするシーンもありますが、あの感動ものの格闘シーンを見た後では入ってこない。。。
Cast
Ranbir Kapoor in a dual role as Ranvijay "Vijay" Singh and Aziz Haque
今までの記事の中で何度か書いてますが、どうもこの人の演技が好きになれない。。巧いんですがバシッと!はまってこない。。なので最近は出演作を全て見ているわけではない。。
昨年、Brahmāstraは見ましたが、これもいイマイチでしたね。。
すでにFilmfare Award for Best Actorを3度受賞しておりほぼ父親のRishi Kapoorに肩を並べたと言っていいでしょう。。
次回作はまだアナウンスがありませんが次はあまり力んでない作品が見てみたいですね。
Bobby Deol as Abrar Haque
さて、今回この作品を急遽みることにしたのは彼が出ている予告編を見たため。
およそ30年ほど前から自他ともに彼のファンであることは世界的に有名な話ですが、ついにBobby復活の時が来ました。
2021年までの詳細は過去記事にあるので詳細は省きます。
本作は201minと久々に3時間越えの超大作!しかもミュージカルシーンはほぼなし!
そのなかでBobbyの出演シーンは30くらいじゃないだろうか?
それでもこのインパクト!
50本近い出演作のほぼ全てを見てきましたが恐らく本作はキャリアベスト!
彼が出ているシーンすべてに目を奪われます。
特に真ん中の画像は3人目の妻(イスラム教徒に改宗し一夫多妻制)の結婚式の最中にAsrarが殺されたニュースを聞きプッツンしてしまったシーン。。
作中のBobbyは口がきけないので声は一切発しません。。
この口元に指をあてるシーンはすでにインドではトレンドとなっているのか?あらゆるメディアで見られます。
そして最後の格闘シーン!
素手でVijayと戦うシーンですが、大半はBobbyが優勢。。しかしVijayを下敷きにしポケットかた煙草を取り出し吸い始める(これも名シーン)など余裕があります。
最後は完全に負けたわけではないのにVijayにナイフで喉を切れられることを選びました。
その際Vijayからは祖父・親のいざこざで我々兄弟同士が殺しあわなくてはならない!この辺でやめにしないか?と言われます。。しかしBobbyはしぐさで"やれ!"とVijayに指示。。。
恐らく、もう死ぬことでしか引っ込みがつかないとこまできていると思ったんでしょう。。
このあたりは音楽も手伝って切ない。。。
不覚にも涙してしまいました。。。
恐らくほぼパンパンの劇場で涙を流したのは自分だけで、Bobbyのファンも自分だけでしょう。。
このボリウッドに残る名シーンでは完全に主役のRanbhirを上回る存在感でした。
いままでBobbyのキャリアにこんあことがあっただろうか?
まさにキャリアベストの演技でした。
願わくばFilmfare Award for Best Suporting Rollを受賞してほしい。。
出演時間がもう少し長ければほぼ確定と言えますがちょっと短いのと年末のDunkiが気になりますね。
今年の話題作はほぼ見てきましたが、派手なアクションが多く演技賞に絡むような俳優はあまりいません。個人的にはぶっちぎりでBobby Deolなんですがどうかな~
Anil Kapoor as Balbir Rajdheer Singh
もう一線を引いたな~と思わせるAnil Kapoor。
今回のように若手や主演の父親役が多くなっていくのかな。。。
もちろん表現力は抜群なんだけど難しい顔してセリフにいくらか喜怒哀楽をつけているだけ。。これは彼の魅力とは程遠い演技です。
できればキャリア終盤にもう一花咲かせてほしいな。。。
Rashmika Mandanna as Geetanjali "Geeta" Iyengar
南インド界のスター女優!なんだけどよく知らない。。。
最近になってボリウッド映画数本にでてますが、本作以降はまた南インドで出演するみたい。。
すごくかわいらしい女性で演技も若いのに素晴らしいです。
またボリウッドで出てほしい女優さんの一人ですね。。。
その他
オールドファンにお馴染みの役者さんが数名活躍
Suresh Oberoi、Prem Chopra、Shakti Kapoor
などがそうですが、皆さん悪役・コメディとなんでも旨い!
特に今回はShakti Kapoorがいい雰囲気だしてましたね。
そしてほぼ初めて見る役者さん
Tripti Dimri ---ハニートラッパーのZoya役、ちょっとインド人離れした顔立ちの美人だなーと思っていたら彼女Delhi生まれだけどGarhwaliの血を引いているんですね。
今後、主演をはることは難しそうでですがすごく綺麗な方なのでもう一度見てみたいですね。
Saurabh Sachdeva---Abrarの兄Abidを演じました。コミカルでキレてて短い出演時間ながらもかなりのインパクトがありました。
こちらは正真正銘のUttarakhand出身、Garhwalのお隣KumaonのHaldwani出身。
演技指導者なので今後の出演作はどうですかね?いままで10本くらいに出演してますが彼の出演作は見たことがありませんでした。
Music Scene
Jamal Jamaloo
Bobby Deolが登場するシーンで使用。結婚式でかかる軽快な曲のオリジナルはペルシャ民謡だそうです。
Saari Duniya Jalaa Denge
どんな事があっても愛するもの(家族・兄弟)を守る!といった歌。
チャンディーガル出身の歌手Pratik Bachanが切なく歌い上げます。
まさにVijayとAbrarの最終決戦にマッチした歌であり、互いの家族を守るために闘わなくてはならない兄弟の切なさが出てます。
2023年ボリウッドの名シーンであるとともに名曲でもあります。
まとめ
素晴らしい映画でした!
正直バイオレンス色が濃くてあまり好きなタイプの作品ではないのですが、Bobby Deolだけで見る価値があります。
その他、異常なまでの父親コンプレックス、家族愛、兄弟愛などが描かれている作品。
最近なら日本での公開もあり得そうですが、年齢規制は出そうですね。
近いうちに一人でもう一度見に行くと思いますが、次はさらにじっくり堪能してきたいと思います。