Taste of Achar

ボリウッド映画とインド生活時の忘備録。。。

-Padmaavat / पद्मावत (2018)-

Bollywood No.042

Padmaavat (2018)

この作品、元々2017年末の公開でタイでもアナウンスがありました。公開直前になりタイトル変更などいろいろと問題がでて2018年1月に延期、実質この延期で劇場での鑑賞ができませんでした。

宗教・歴史・偉人が絡むと必ず横やりが入って延期になるのがインド映画。仕方ないですね。。。

Sanjay Leela Bhansali監督作ということで映像美は◎確定!

女房はGoliyon Ki Raasleela Ram-Leela(2013)を見に行って依頼BhansaliのファンになってしまいBajirao Mastani(2015)に連れて行かなかったことでエライ恨まれました。

 

今回もそうですがBhansaliのロマンスは完全にDeepika PadukoneとRanveer Singhを主演に置くようになります。そりゃあ恋に落ちて結婚(2018)もするよね!

 

テキトーに解説

先程調べたところなんと!この作品も日本で公開されているとの事!

凄い時代になりましたね。。2000年代まではボリウッド映画を何とか日本で公開しよう!と頑張っている友人が周りにいたのでその苦労を知ってます。

今ではしっかり配給ついてインド映画だけの映画祭なんか日本で開催されているようです。

なのでストーリーはあまり触れる必要はないでしょう。

 

それでも個人的に付け加えておきたいことが一つ。

この作品の元となっているのは1300年代初頭のメーワ―ル王国、現在のUdaipur,Rajsamand,Bhilwara,Chittorgarhがメーワ―ル王国の領土だったそうな。。この4都市のうちRajsamandを除く三都市には訪れたことがあります。この映画の時代背景ではChittorgarhが首都となっておりストーリーの半分以上はChittorgarh城周辺が舞台とされている。

Chittorgarhには友人がいたことで2週間くらいの滞在をしており、そこそこ大きなこの町をじっくり案内してもらった事もあります。その時にパドマーヴァティーの話を聞かされた記憶はあるも当時は一切興味がなく名前以外はなにも頭に残りませんでした。

ただこのChittorgarh城壁は美しくとても大きかったことは印象にあります。

映画を観終わると再訪したくなる気持ちがでてきましたね。。

 

Cast 

Deepika Padukone as Padmavati

なんと!いつの間にか37歳となってました。

自分がまだインドに住んでいたOm Shanti Om (2007)でデビュー

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特別気に入った女優さんではないですが彼女の出演作を劇場でよく見てます。

Om Shanti Om(2007)
Main Aurr Mrs Khanna(2009)-cameo
Cocktail(2012)
Race2(2013)
Yeh Jawaani Hai Deewani(2013)
Chennai Express(2013)
Goliyon Ki Raasleela Ram-Leela(2013)
Finding Fanny(2014)
Happy New Year(2014)
Brahmāstra: Part One – Shiva(2022)-cameo
Pathaan(2023)

2013年は4本も劇場でみてるんですね。

2015-2021に全く見てませんが、彼女の出演本数が減ったのとCovid-19が理由でしょう。

本作ではタイトルと同じPadmavatiを演じてます。

序盤はRatan Singh(Shahid Kapoor)との出会い、それからは一途な愛を貫く大人の女性です。最終的にAlauddin(Ranveer Singh)との直接的なからみはなかったのですがその辺に

Alauddinの滑稽さと最後のJauharのドラマを引き立てていました。

*Jauhar---ラージプートの風習。ラージプートがムスリム軍に敗れる時、女性・子供は略奪・奴隷・レイプなどを避けるため金品と共に業火の中に集団で身を投げました。いわゆる女性の集団焼身自殺。

 

彼女の一番の見どころはこのJauharの時でしょう。夫の死を聞かされたあと冷静沈着にJauharの準備をしチットールガル城址内に用意された業火に先頭を切って入って行きます。この時の所作が美しく印象的です。この辺りはさすがSanjay Leela Bhansaliといったところ。。。

 

最近Pathaan(2023)でバリバリのアクションを演じたばかりですが、次回作もアクションがアナウンスされてます。

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Project K (2024)

テルグ・ヒンディー語の二言語同時撮影。

supernatural actionというよくわからないジャンルの作品。

Amitabh Bachchan, Prabhas(バーフバリシリーズ)共演。

巨額な製作費をかけておりバーフバリやRRRを追いかけるような作品なのか?

しかしプロットなどから嫌な予感しかしない。。

 

Ranveer Singh as Alauddin Khalji

本作と同じ2018年に共演のDeepikaと結婚。

インドにいた頃、彼はまだ大学生で俳優にもなってませんでした。タイに移住してからの映画デビューだったのでまだ若手のイメージでいたらいつの間にかFilfareを複数回受賞しあっという間にボリウッドのトップになりましたね。

コミカルな演技が上手い役者でしたが現在はあらゆる役で活躍。

本作では謀反でムスリムの王になり危険な雰囲気を常に出してました。それでも途中Padmavatiの美貌の評判を耳にしてからはどうにかして彼女の顔を見たい!それだけで追っかけまわしていたように見え、この辺りはRanveerが演じるムスリムの王っぽくていい。

最後は相手国を制圧するよりPadmavatiの顔を一目見る為に全精力を注いでおり、最後はJauharを行うPadmavatiの後ろ姿のみしか見れず地団駄踏んでいたのが滑稽。

次回作は

Rocky Aur Rani Ki Prem Kahani

共演はAlia Bhatt。撮影途中で妊娠したため映画の完成が延期になりました。このAliaは日本でも評判のRRRに出演していたようで知名度がグン!と上がったそう。もしかしたら日本で公開するかもしれませんね。。

どのような出演になるかしりませんが他の共演者が凄い!

Dharmendra、Jaya Bachchan、Shabana Azmi特にこの三名はボリウッドのレジェンド!!そもそもDharmendraなんて身体動くのか?

 

Shahid Kapoor as Ratan Singh

あぁ。。。この役Shahid Kapoorじゃないといけなかったの。。。

確かに首が長くて太く真っすぐ綺麗に立ち上がっているので王のたたずまいはある。

しかしこの映画はRanveer Singhの映画でありShahidは三番手と言っていいでしょう。

Bhansaliの作品は初めてなのでレギュラーの二人をサポートする役になっていて少し残念。

それでも立ち回りのシーンなどは気品があり流石、この人はニタニタすると二枚目なのにどうしようもない男にもみえますが気合をいれれば気品のある王になる。

彼の作品を見るのはかなり久しぶり。

劇場で見たShaandaar(2015)以来。

Kabir Singh(2019)すらまだ見てない。。

これはいけませんね。。

Aditi Rao Hydari as Mehrunisa

いつの間にか、、彼女も36歳。。

いまだカワイイ盛りです。

Delhi-6(2009)でちょこっと出ているところが気になり、調べたところAamir Khanの義姪との事。London, Paris, New York(2012)でAli Zafarの相手役を演じるなど主役級にもなりますがその後全くノッテこれず、、、現在は南インド映画界に身を置いているようです。

気になっているのが彼女の次回作

Gandhi Talks(2023)

タミル映画のようですがこの映画はサイレントなんです。

タイトルもそうですがちょっと興味ありますね~

 

Jim Sarbh as Malik Kafur

さて、わざわざ取り上げる役者さんなのか?と思いましたが、本作での根っからの悪役が素晴らしかった! 殺しをなんとも思わず、楽しんでいる感もある中で主君であるAlauddin Khaljiには常に忠実。

全く知りませんでしたが、調べてみるとGangubai Kathiawadi(2022)にジャーナリスト役ででてる、確かにこのトラボルタ顔はいましたね。

本作ではFilmfare Best Supporting Actorにノミネート(2回目)されておりしっかり評価はされてる。

彼はちょっとクレイジーな悪役なんかが似合うので、今度は現代劇での悪を見てみたい役者さんです。

Anupriya Goenka as Nagmati

女房が「この人何かにでてなかったか?」と気が付く。。。最初は自分もピンとこなかったのですが、そういえば先日彼女の出演作を見たばっかりでした。

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この作品でRAWエージェント、Kabir(Hrithik Roshan)の忠実な部下役。

またTiger Zinda Hai(2017)でも看護師役で出演してます。

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メインのキャラクターではなかったのですが何となく気になってた女優さんです。

Asinに雰囲気がにているな~なんて思ってたんですが彼女の出身はUP(ウッタルプラデーシュ)。*Asinはケララ州出身

2023年以降の出演スケジュールが見当たらないのでまたモデル業をメインにするのか?

 

Music Scene

オリジナルソングは監督のSanjay Leela Bhansali、Guzaarish(2010)からは自身の監督作は全て作曲も行ってます。この辺の多才さが音楽シーンで極上の映像美をつくりだすのでしょう。

Ghoomar


www.youtube.com

ラジャスターンの同名のフォークダンスを元にしておりDeepikaが美しい。

因みにこの時のDeepikaの装飾品は3kgあったそうです。

本来Ghoomarはラジャスターン地方での結婚式・お祭り・宗教行事などで踊られます。

歌はShreya Ghoshal、彼女のインタビューではその他に3曲ほど録音したそうですが冒頭にあるように脚本の削除、タイトル変更など公開前にいくつかのトラブルがあり彼女の曲も削除されたそうです。

 

Jauhar's Thema

Padmaavat | Climax | Jauhar Scene | Scene 13 | Deepika Padukone | Ranveer Singh | Shahid Kapoor - YouTube

Jauharは集団自殺行為にあたるようで動画サイトで視聴規制があります。

このラストシーン前までは本作のタイトルはAlauddin又はMewar(王国)でいいんじゃないか?とも思わせましたが、やはりPadmaavat。。。

Ratan SinghとAlauddinの対決に平行して行われるJauharの儀式が行われるラストの10分は圧巻!
映画なのでかなり美しく描かれ持っていると思われますが、本当にこんなことが行われていたのか?と驚愕します。

 

まとめ 

公開前にすったもんだありましたが、これだけイスラム軍を悪党・外道の描写にすると流石に横やり入りますね。Alauddinにも今一つドラマ性が足りませんでした。

*因みに監督のBhansaliはジャイナ教徒

悲しいかな。。。主演の二人が監督のお抱え俳優(お気に入り)とはいえShahidが出ていてこの扱いとは。。。こだわりの強い監督でShahidもBhansali映画は初出演なのでこんなものか。。。

 

しかし本作の出来としては十分楽しめます。最終的にはJauharという特殊な儀式がありますが、Ranveer Singh、Jim Sarbhの超真面目なんだけどコミカルな演出、Shahidの王の品格、なんといってもDeepikaの美しいラストシーンが目を引きます。

最終的にはさすがBhansaliと思わせる場面でしたね。

この後Gangubai Kathiawadi(2022)をとってますが、最新作にも期待です。

 

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