Taste of Achar

ボリウッド映画とインド生活時の忘備録。。。

-Pathaan / पठान (2023)-

Bollywood No.040

Pathaan (2023)

公開週に見に行ってきました。

SRKの主演映画はZERO(2018)以来!

Covid-19があったとはいえかなり空きましたね。

※特別出演では数本出てます。

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先に話しちゃいますが現在インドではスーパーヒット中!!

まだ一週間も経ってないのに3croreを超えてます。

ボリウッド映画で過去に4croreを突破した作品はありません。

※過去最高はDangal(2016)の387crore、その上をいくBaahubali 2 - The ConclusionとK.G.F - Chapter 2はそれぞれテルグとカンナダ映画になります。

テキトーに解説

*重要な場面のネタバレあり!

基本的にはトム・クルーズ主演『ミッションインポッシブル』シリーズのパクリと言っていいでしょう。本家を最初の3作くらいしか見てないのでよくわかりませんが、いいとこどりしたような作品なのではと思ってます。

しかしここはボリウッド!!!

トム・クルーズではなくシャールクカーン!

当然ものが違います!

イメージからするとトム・クルーズ映画のインド版はリティック・ローシャンがいいと思うんですよね。。実際にKnight and Day(2010)のリメイクBang Bang(2014)はリティックだったし。。。

 

インド版ミッションインポッシブルなのでもちろん事件が起きます。

発端はインド憲法370の廃止。

これは実際に2019年に起きた出来事でArticle 370といえば有名な法律。

インド、ジャンムー・カシミール州には複雑な問題があり何度も紛争が起きていることは世界的に知られてます。

そのジャンムー・カシミール州に自治権を与える法律が370条。

今までこの法律により州は独自のルールを作ってました。

州外のインド人が物件を購入したり定住することを禁止なんてのがそれにあたります。

これが廃止すると言うことは他の州都同じようにインドのルールが適用されるようになります。

そうなるとカシミールにいる過激派やパキスタンが敏感になるわけですね。

映画はこの370条廃止を発端にパキスタンの将軍がインドへの復讐を試みるとこからスタート。

 

Story

370条廃止のニュースを聞いたパキスタンの将軍Qadirはガンに侵されており死期が近いと感じてます。死を前にインドへの復讐を考えテロ組織「Outfit X」と契約を結びます。このOutfit Xのボスが元RAW(インドの諜報機関)のJim(John Abraham)、RAWのリストで彼はすでに死亡していることになっていますが彼による偽装だったのです。

 

元RAWのPathaan(SRK)はRAWの上官であるNandini(Dimple Kapadia)はカーネルSunil(Ashutosh Rana)の許可を経てOutfit Xの計画を阻止するためにチームを派遣します。この時はJimに軍配があがります。

 

その後Pathaanは"Raktbeej"と呼ばれるワードとDr.Rubina(Deepika Padukone)の名前を知ります。Rubinaのいるスペインへ飛ぶPathaanですがここでJimのグループにとらわれてしまいます。しかしこのRibina!実はISI(パキスタンの諜報機関)で彼女の助けでPathaanはJim一味から逃げることができました。

 

*アクションは派手で見栄えがいいのですが、やや動きが硬くスロー この辺は主要キャストの高齢化などもあるのかな。。。

 

ここでRubinaはPathaanにJimの計画のカギになる"Raktbeej"がモスクワにある事を教えます。

*胡散臭くPathaanが嵌められていくような雰囲気がプンプン。。。

Jimが手に入れる前に"Raktbeej"を入手してしまおうとするRubinaとPathaanですが案の定Rubinaの裏切りにあい"Raktbeej"はJimと組んでいるRubinaの元へ、Pathaanは捉えられて警察へ。。

警察に捕まり移送されるPathaanですがこの時RAWの同僚が単独で助けに!!!

 

*個人的にはココが最高潮!

この同僚の登場でインド中の劇場は割れんばかりの歓声が起こったことでしょう!

流石にしびれました!鳥肌たちました!

素晴らしい演出!

キャスティングも詳しく見てなかったのでビックリしました!こんな感じでTiger(Salman Khan)がでてくるとは。。。

やっぱりボリウッド映画は映画館で見るべきものだ!とつくづく思いましたね。

 

それから3年。。。

PathaanはJimの仲間をアフリカで捉えます。

NandiniからはJimが二つの長距離巡航ミサイル を手に入れたこと、Rubinaがパリで見つかったことを聞かされます。

早速パリに飛ぶPathaanはなんなくRubinaと接触することができました。

RubinaはISIの指令とはいえこのような悪事に手を貸していたことに罪悪感を持ってました。そして"Raktbeej"とは人間の命を奪うウィルス体であることを告げます。

ここからはPathaanと協力してJimとQadirの企みを止める為行動するのです。

 

現在"Raktbeej"は二つのオーブに閉じ込められJimの手の内にありますが、PathaanのチームとRubinaの働きで一つを奪取!!

この奪ったウィルスを研究所に持って帰りますが、ここにはJimのトラップが仕掛けてあり研究室にいたメンバーとNandiniが感染、最後は全員自殺します。

 

*ここからがクライマックス!

 

Jimはインド政府に向けて24時間以内にカシミールからインド軍を撤退させることを要求(これがQadirの要求でしょう)。

Pathaan達はJimの基地を攻撃しますがウィルスはミサイルには挿入されておらずデリー行きの旅客機の中に設置されてました。

ウィルスを止めるコントローラーを持っているのはJim、逃亡するJimをPathaanが追いかけます。最終決戦地は二人が空から不時着した古い崖の上の家屋。

ピンチもありながら最後にPathaanはJimを倒し、起爆装置を止めることに成功!

これで事件は解決しPathaanはRAWに復帰となりエンディング。。。

 

オマケのストーリー

最後のクレジットでTigerとPathaanがRAWの次の世代について語り合いますが、二人の意見は今の若いやつらはどいつもこいつもダメだ!まだまだ頑張らんといかんな~って事でした。

 

Cast 

Shah Rukh Khan as Pathaan

今作以降しばらくはアクションをメインとして映画に出演すると発表してます。

流石に年を重ねてきており、肉体造りが大変なのでしょう。

数年に一回の頻度でこのタイプの映画をすると都度身体造りをしなくてはいけません。年に2,3本同タイプの役をやれば肉体の維持で済みますね。

他のタイプの映画は年をとってもまだ演じられるってとこでしょうか。。

 

やはりKing Khan!

華があります。今回適役のJohnが悪に徹していたのでSRKが演技に多様性を出してました。

このブログ内のボリウッド映画記事ではSRK

が四連発中!!(特別出演含む)

 

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すでに散々語っているので詳しくは別途ご覧ください。

今回のPathaaは賞レースに関わってくるような約ではないのであまり気にしてませんが、今年の映画のラインナップによってはノミネートくらいはされるかもしれませんね。

特筆すべくはSalman Khan主演の『Tiger 3』のクレジットにSRKに名前があります。もしかしたらPataanとしてTigerとの再共演があるかもしれません。

 

John Abraham as Jim

最近、警察、エージェントやインド軍の英雄的な役割が多かったですが今回は相手に周るテロリスト役。

元RAWで作戦中に家族を殺されテロリストになったという過去があるので完全悪といった感じではありませんが、、、。

これを見て思い出されるのがDHOOM(2004)のヒール

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デビュー2年目でしたがとにかくカッコいいヒールでした。

最後の死に方(本当に死んだかはわからない)もカッコよくいい終わり方だったので今回もJimには格好いい死に方を期待しましたが、期待外れ。。。

2023年にはTehranがアナウンスされてますが役名はまたしてもDCP(警察副長官)なんたらかんたら。。。

その他Riteish Deshmukh共演のコメディも控えてます。

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Deepika Padukone as Rubina

ISIの諜報員なのでアクションがメインでした。若いころにあまりアクションはやってなかったのに最近やるようになりましたね。

お父さんは元ナショナルチーム(バドミントン)の選手なので運動神経はいいのかも。。

まともなロマンスやラブコメディの要素がなかったのでアクション以外で見せ場はあまりなかったですね。

正直他の女優さんでもよかったような気がしますがやはりスターパワーは一味違いました。

SRK、Johnとは共演経験あり相性もいいですね。

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特別出演はありますが2023年はこれ一本のみの出演

年齢も40才近くなり結婚もしてますので彼女もこれから出演が減っていくでしょう。

Dimple Kapadia as Nandini

大女優と言っていいでしょう!

夫はRajesh Khanna、Filmfare Award14回ノミネート3回受賞の名優!!全てBest Actor/主演俳優でのノミネート

長女はTwinkle KhannaということなのでAkshay Kumarの義理の母になります。

 

007シリーズのJudi Denchみたいな立ち位置になるのかと思っての起用と思ったら途中でウィルスに感染して死んでしまいました。

SRK同様Brahmāstra: Part One – Shivaに出演してますがあちらはあまりインパクトなし。

流石に60才過ぎてますので主演を演じることはありませんが、今回はそこそこ重要なやくでした。それでも彼女を活かすキャスティングではなかったですね。

Finding Fanny(2014)以降はあまりいい役を演じてません。

 

Ashutosh Rana as Colonel Sunil Luthra

悪役のイメージが強くていつ裏切るのか?と待っていましたがいい人でした。。

War(2019)を見ていれば彼の立ち位置がしっかりしていることが解ります。

暫く見てないので印象が。。。

多分彼をみたのはAwarapan(2007)以来16年ぶり!

 

本作でRAWの責任者の地位は確立したでしょう。

War(2019)では同じ名前で同じ役職を演じており次回作Tiger3(2023予定)でもクレジットされてますので恐らく同じ役でしょう。

 

Salman Khan as "Tiger" 

インド人、ボリウッドファンで事前にクレジットを見てSalman Khanが特別出演のを知ったら必ず期待してしまう!

"RAW"、"SALMAN KHAN"このキーワード二つで十分!

皆さん一体どこで出てくるのか?と緊張しながら見ていたでしょう。

最高の場面でするりと首に巻いたストールが落ちてきたのを見た瞬間に思わず声をだして立ち上がってしまいました。

最近忙しくてSalmanがクレジットされているいことを知らなかったのです。

 

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Music Scene

音楽はVishal–Shekhar

娯楽映画なのでそれなりに盛り上がりのある曲はありましたが、印象に残ったのはこの1曲 

Pathaan's Theme

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ドスの効いた深みのある歌声がいい!

Magdalena Supelが歌ってますが、全く知らない。。。

英国出身でDave Stewart (Eurythmics)、Bob Geldof(The Boomtown Rats)など80'Sの英国シンガーや最近ではJustin Timberlakeのバックコーラスなどされている方のようです。

Vishal–Shekharはインド外のシンガーをたまに引っ張ってきて器用しますがその選定がかなりコア。

 

知っておくとさらに楽しい

以前も書いてますがボリウッド映画を楽しむのには一つの壁があります。

言葉や文化など基本的な事は別ですが、Yash Raj Filmのような大手プロダクションは頻繁に過去の名作や名場面、名キャラクターを新作にちょこっと盛り込んできます。

過去物が分からないと周りが何に笑っているのか?なぜ盛り上がっているのか?といった場面でついて行けません。

今回のPathaanでも数か所あったので解説したいと思います。

1. jm(John Abraham)のセリフ

"Raktbeej"を使ってインド政府にカシミールから24時間以内に軍を引き上げさせる交渉をする時のセリフ

Colonel Sunil「What do you want?」
Jim「What do you think?」

何が望みだ? なんだと思う?といったやり取りですが、Johnは出演作中でこの手のやり取りを頻繁に使ってます。

思い出されるのはI, Me Aur Main(2013)でプレイボーイを演じガールフレンドとのやり取り。

Girlfriend「I Love You」

John「I Love Me Too」

この作品はいわゆるおバカ映画なんですが、セリフも合わせておバカ風に使ってます。

 

2. Tiger登場

前述のお通り別途スーパーヒット映画の主人公登場!

TigerもSalman Khanも知らない

ただ派手で強いおっちゃんが登場し主人公を助けるシーン、インド人が何故エキサイトしているのかわからない

Tigerは知らないけどSalman Khanを知っている

おーSalman Khanが出てきた!知っている俳優が突然出てきたことにビックリ

TigerもSalmanも知っている

もうこの方は事前にSalmanが出演することは知っているでしょう、ただ作中でいつでてくるのか?これを待っていた人です。出てきた瞬間はためていた期待が一気に爆発し絶叫するでしょう。

自分のケースはTigerもSalmanも知っているけどSalmanが出ることを知らなかったケース

多分これが一番エキサイトするパターン

 

3. RAWエージェント

ボリウッドにはRAWエージェントを扱った映画が多くあります。

最近のものではTiger , Kabir , Vinodなんかがそうですが、

本作ではTigerが出演してます。

事件解決後にColonelがPathaanにRAWに復帰するよう依頼します。Pathaanが復帰を躊躇すると、、、Colonelは「今、RAWに一流のスパイはTigerとKabirしかいないんだ!若手を教育してくれよ!」といいます。ここでのKabirはWar(2019)のKabir(Hrithik Roshan)の事でWarの監督Siddharth Anandは本作の監督でもあります。

本来ならHrithikとSRKも共演が長くないのでこちらの方が自然な気がしますが、冷戦を終えたSalmanを登場させた方が盛り上がりますね。

 

このように知っていると楽しい情報はほとんどのボリウッド映画に含まれていると言っていいでしょう。

 

次回とかこの三人がそろったりするのだろうか?

 

まとめ 

ボリウッド映画歴史上最高の興行成績更新に向けて突っ走ってます!作品の質にプラスしてTiger効果も大きいでしょう!

正月明け早々から特大の作品が飛び出しました。だれでも楽しめる娯楽アクション映画で必見の作品でした。

今年はTiger3もあるし期待できる!

 

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